内容説明
ルネサンス以降、近代思想史の展開につれて、かつてつながっていた「人間と自然」「魂と自然」「精神と身体」が不可避的に分裂・分化していく。と同時にそれが近代特有の問題を生み出す原因ともなった。しかし、このような近代の知のあり方を批判し、自然と人間の分裂の必然性をふまえつつも、自然と人間の再統合をめざす「自然神秘思想」の伝統が地下水脈のように流れている。本書は、この系譜に連なる重要な思想家たちの思想のエッセンスを集めたアンソロジー。ヨーロッパ近代の知のあり方に根本的な見直しを迫る。
目次
パラケルスス(聖ヨハネ草について;磁石の力について;魔術について;神と人の合一について)
ヘルモント(医術の日の出)
アンドレーエ(化学の婚礼)
エーティンガー(聖書とエンブレムの辞書)
メスマー(動物磁気発見のいきさつ;パリ科学アカデミーとの関係)
エッカルツハウゼン(自然の魔法の力)
バーダー(光の父としての稲妻)
シェリング(クララとの対話)