感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いとう・しんご singoito2
3
ミシュナはトーラーの施行細則とラビたちの議論を集成した文書で、おおむねBC1~AD2の成立。本書はミシュナ全6部のうち、第1部を収録、ちなみに本叢書の2は第2部を収録しています。理解困難な部分もたくさんありましたが、イエス時代のユダヤ社会がとてもよく見えて、けして聖人君子の理想社会では無いけれど、福音書が悪意と敵意をこめて描くような極悪非道の人たちでもないと言うことが分りましたし、結局、イエスを十字架に追い上げたのは、この私だったという、信仰の原点をを確認させてくれます。2022/04/30
ヤベ
2
最近紀元前後のユダヤ人社会に関心がある。ローマに支配される当時のユダヤ人がアイデンティティ模索の中でヘレニズムに接近しながらそれから離れようともする二方向の動きを見せたのが面白い。その動きは最もギリシャ的なユダヤ教と言えるキリスト教を生んだ一方で、口伝と成文律法を尊ぶ今のユダヤ教の原型を形作った。西洋史観ではなくユダヤ教側から当時の雰囲気を理解したくこの本を買った。抽象的な表現も多い律法を実践するにあたっての問題を議論し結論づけている。成文律法の解釈に心を砕くラビの真摯な姿がある。2024/05/06
-
- 和書
- 世界はこんなに 堀内誠一