感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
左手爆弾
4
異端という極めて重要だが扱いにくい問題について、実に見事にまとめてくれている。初期近代から啓蒙期にかけてなぜ聖餐式や異端の扱いが問題になったかなどは、キリスト教徒が少ない日本人には馴染みがない。そうした基本的な知識を補ってくれる本は大変貴重だと思う。2020/07/20
Go Extreme
1
キリスト教史の異端信仰:概念、教義関連、対処、変遷の多角的検討 異端定義の変遷:「選択」から「偽りの教え」へ、教義だけでなく秩序への挑戦 正統信仰の確立:教会会議による共通理解、ニカイア信条、使徒継承と教皇権威 歴史的異端:グノーシス、アリウス、ドナトゥス、ワルドー、カタリ、ウィクリフ、フス等 異端対処:初期会議、中世審問、宗教改革期批判、現代エキュメニズムの寛容 異端と社会:民衆異端による秩序挑戦、社会不安の表れ、原理主義と迫害 結論:異端の多角的理解の重要性、現代エキュメニズムによる寛容模索の意義2025/04/17