内容説明
「人間は一本の葦でしかない…だが、考える葦である」。数々の名言で知られる『パンセ』は、人間の悲惨さと偉大さについて省察した思索の書であり、魂の世界を反映した瞑想録である。卓抜な人間観察から生まれた人間への深い洞察は、読者をおのれの人生の意味への問いかけに直面させる。パスカル研究に一生涯を捧げた訳者による、邦訳の決定版!
目次
第1編 分類ずみの断章(順序;空しさ ほか)
第2編 未分類のパンセ(第一集;第二集 ほか)
第3編 奇跡について
第4編 第一写本に収録されていないパンセ(自筆原稿集によるもの;第二写本によるもの ほか)
著者等紹介
田辺保[タナベタモツ]
1930年、京都にて生まれる。1953年、大阪外国語大学フランス語学科卒業。1959年、京都大学大学院文学研究科(フランス語フランス文学専攻)博士課程修了。文学博士。大阪外国語大学、岡山大学、大阪市立大学、神戸海星女子学院大学教授を歴任。岡山大学・大阪市立大学名誉教授。2008年、77歳で逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ころこ
33
「引用されている本は全部自分で読んだのかと、たずねる人がある。読んでいないとわたしは答えよう。そうではないか。そんなことをしていた日には、こういうひどい悪書ばかり読んで一生をすごすことになりかねなかったではないか。」これは本書の最後の方に載っていて、途中で後ろの方を読んでいて偶然みつけた断章です。必ずしも初めから読まなくても良く、全て読まなくても良い。断章は我々が読む本と比べると思想の塊を伝えていない。しかし、断章は思想を塊とすることによる倫理的な噓臭さを回避することができ、断片によりその広がりを示すこと2021/06/14
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