内容説明
地下鉄サリン、松本サリン、坂本弁護士一家殺害事件…。あの忌まわしい事件の真相に迫る記者たちの苦闘の記録、オウム裁判を中心に共同通信が総力で伝えたオウム真理教事件を検証する。麻原彰晃被告の17起訴事件の検察側冒頭陳述要旨全掲載。
目次
第1部 麻原彰晃公判(師弟対決;厳戒の中の初公判 ほか)
第2部 オウム事件取材五百五十日(オウムの影を追う;世紀末の大捜索 ほか)
第3部 追跡なぜオウムに(暗転した二つの救済;洗脳のからくり ほか)
感想・レビュー
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hatayan
27
オウム事件の起きた2年後の1997年刊。強制捜査に踏み出す警察の緊張、教祖の麻原彰晃の逮捕、初公判の様子、サリン事件の実行犯の生い立ちなどを広く記述。 読ませるのは、教団のNo2で刺殺された村井秀夫元幹部の生い立ちから破滅までを記した「自滅への道」。教祖の歓心を得るために兵器開発など無理難題を強要し、実務を仕切る幹部と対立が絶えず。秘密を知りすぎたために口封じで殺されたとの説が今も消えません。 一連の事件の検察の冒頭陳述、オウム事件の年表も添付。裁判が終結した今でも資料として参照しうる一冊かと思います。2019/08/11
すうさん
1
オウム真理教の幹部たちはすべて死刑となった。特に裁判の時に狂気を演じたいたのかどうかわからないが何も語らない教祖麻原彰晃。一審のみで再審もなく精神鑑定も行われず死刑となった。事件だけでなくオウム真理教とは何だったのか社会が何も検証しないまま葬った。今もオウムの傍系教団は生き残り活動している。自分なりに本書で一連の裁判や審理記録を読んだが、教祖やそれに集まった優秀な幹部たちの思考や思想はまだ闇の中である。またオウム事件の顛末は逆に破防法という法律とともに日本という社会の恐怖も明らかにすることになった。2025/05/21