出版社内容情報
★何が現場の問題なのか?★
「第5巻」は、病院施設や地域における20のさまざまな困難事例を通じて【専門職がどのように対象者を理解し、協働していけばいいのかを考え、学ぶことができる事例集】です。
患者・当事者の困難な状況のみならず、専門職側に問題・原因がある事例も数多く提示され、現場の複雑な問題に対応する考え方を身につけることができます。また、「連携・協働における課題」と「社会・福祉問題」という二つのサブテーマが設けられ、自身の関心のあるテーマに沿って学習することも可能です。
他の巻で扱われていた困難な状況や問題が、具体的な現象として現れている事例ばかりなので、他の巻の内容と事例を関連付けながら考えることで、より深い学習が可能となっています。
学校教育や臨床現場でのディスカッションの材料として幅広く使用することが可能で、IPを学ぶために必携の事例集となっています。
◆本シリーズ[全5巻]について◆
近年、保健・医療・福祉領域において、さまざまな専門職が互いの専門性について学ぶ「IPE(多職種連携教育)」、そしてそうした相互理解をもとに連携して働く「IPC・IPW(多職種連携協働・実践)」の重要性が注目されています。
本シリーズは、そうした連携のために必要不可欠な概念として注目されている「IP(インタープロフェッショナル)」の教科書です。 ※全巻「2色刷」※
IPを学ぶ学生、専門職種、研究者など、あるいはその学習環境に応じて、
?IPの理論研究 ?教育現場での教授ツール ?学生・初学者向けの入門テキスト ?臨床現場での体制づくりのためのガイド ?事例集
というそれぞれ特徴的なアプローチによる全5巻構成になっています。さらに、異なる巻同士で互いの内容に関連性がある箇所には「リファレンス」を設け、より深い学習が可能です。
推薦の序
はじめに
本シリーズの特徴
序章 事例から考える?その意味と方法?
1．本書の内容と構成
2．本書の活用方法
3．多職種連携・協働による事例検討と地域包括ケア
4．事例とは何か
5．共通理解モデルによる事例検討
6．事例検討の課題と獲得目標
第1章 病棟における困難事例
事例1 自宅退院を希望しているが介護力に不安のある老夫婦
事例2 糖尿病を放置し透析導入となった50代の単身男性
事例3 夫の自宅退院を拒否する妻
事例4 自己決定に不安のある高齢単身女性
事例5 育児放棄した息子との同居を希望する50代脳卒中男性患者
事例6 障害を受け止められない高齢の母親と40代の長男
第2章 地域・在宅ケアにおける困難事例
事例7 暴力を繰り返す息子と離れようとしない高齢夫婦
事例8 ゴミ屋敷で暮らす対人不信の40代単身男性
事例9 両親を支える不登校の高校生
事例10 入退院を繰り返す依存的な高齢単身女性
事例11 徘徊する母親に怒りを露わにする60代の息子
事例12 理解力に不安のある高齢夫婦
第3章 連携・協働に困難を抱える専門職の事例
事例13 コメディカルの意見に耳を傾けない医師
事例14 アディクション患者を極端に嫌う理学療法士
事例15 昼間から飲酒する独居高齢者が心配で仕方がない訪問看護師
事例16 尊敬できない上司をメールで攻撃する作業療法士
事例17 「引きこもり」の利用者に不用意な言葉をかけてしまった訪問介護員
事例18 糖尿病を患う高齢女性への栄養指導に苦慮する管理栄養士
事例19 個人的な関係で訪問診療を手配するケアマネジャー（介護福祉士）
事例20 縄張り意識の強い主任介護支援専門員（社会福祉士）
終章 チームの成熟とリフレクション
1．対象理解、他職種理解、自己理解
2．共通理解とチームの成熟段階
3．臨床的人間理解の視座
4．課題認識の視座：当事者の立場からの課題抽出
5．リフレクションの勧め
吉浦 輪［ヨシウラトオル］
著・文・その他
