出版社内容情報
《内容》 本叢書は,コミュニケーション臨床の新たな理論と方法を産み出し,多くの財産を蓄積してきた日本聴能言語士協会の講習会活動の成果をベースに,第一線で活躍する言語臨床家と医学・歯学・心理学等言語臨床の周辺領域で先進的な研究・臨床を実践する専門家が新たに書き下ろした論文集である.
収録論文は,先進性・普遍性のあるテーマをセレクトしたが,最新の知見を紹介すると同時に,執筆者には個人的見解を自由かつ明確に表明することを求め,従来の臨床では考慮されることが少なかった問題を積極的に取り上げている.また,各巻のプロローグは,各障害の臨床方法の概観,現状の問題点,今後の方向性を示し,コミュニケーション障害臨床の新しい展開を予告する.
本叢書刊行の目的は,言語臨床家が臨床的言語サービスを実践するための拠りどころとなる本を提供することである.読者が臨床に悩む時,本叢書は臨床への意欲と新たな発想を呼び起こす力を与えるものとなるであろう.
第5巻では,高齢社会と言語聴覚士の役割,失語症鑑別診断のガイドライン,純粋語唖,発語失行,コネクショニストアプローチによる失読のシミュレーション,全失語の臨床論理,失語症患者の心理過程等の最新の研究・臨床的課題について詳述している.
《目次》
失語症リハビリテーションの今日的課題…高橋 正
失語症の鑑別診断…石坂郁代
失語類縁の発話障害とその対応…高橋 正
並列分散処理モデルによる読みの障害へのアプローチ…伊集院睦雄・伏見貴夫・辰巳 格
全失語から言語治療を考える…中西之信
失語症の心理言語臨床…手束邦洋
目次
プロローグ 失語症リハビリテーションの今日的課題
第1章 失語症の鑑別診断
第2章 失語類縁の発話障害とその対応―純粋語唖、発語失行と称される障害の臨床特徴を中心に
第3章 並列分散処理モデルによる読みの障害へのアプローチ
第4章 全失語から言語治療を考える―臨床の基本的前提へ
第5章 失語症の心理言語臨床