出版社内容情報
《内容》 本叢書は,コミュニケーション臨床の新たな理論と方法を産み出し,多くの財産を蓄積してきた日本聴能言語士協会の講習会活動の成果をベースに,第一線で活躍する言語臨床家と医学・歯学・心理学等言語臨床の周辺領域で先進的な研究・臨床を実践する専門家が新たに書き下ろした論文集である.
収録論文は,先進性・普遍性のあるテーマをセレクトしたが,最新の知見を紹介すると同時に,執筆者には個人的見解を自由かつ明確に表明することを求め,従来の臨床では考慮されることが少なかった問題を積極的に取り上げている.また,各巻のプロローグは,各障害の臨床方法の概観,現状の問題点,今後の方向性を示し,コミュニケーション障害臨床の新しい展開を予告する.
本叢書刊行の目的は,言語臨床家が臨床的言語サービスを実践するための拠りどころとなる本を提供することである.読者が臨床に悩む時,本叢書は臨床への意欲と新たな発想を呼び起こす力を与えるものとなるであろう.
第4巻では,脊髄小脳変性症,パーキンソン病,筋萎縮性側索硬化症等の神経疾患や頭部外傷により発生した発声発語に関与する神経・筋系の神経生理学的障害からもたらされる話しことばの障害の評価・訓練について,豊富な症例と図版を用いて詳述する.
《目次》
病院における運動性構音障害について…山崎美智子
運動障害の神経学…鈴木恒彦
運動性構音障害の評価…椎名英貴
運動性構音障害の治療…長谷川和子
神経疾患へのアプローチ…玉井直子・木村康子
補助代替コミュニケーション…大澤富美子
目次
プロローグ 病院における運動性構音障害について(当院における運動性構音障害者の概要;運動性構音障害に対する訓練)
第1章 運動障害の神経学(運動系の障害;運動麻痺について ほか)
第2章 運動性構音障害の評価(正常運動の特徴とその障害;呼吸機能の評価 ほか)
第3章 運動性構音障害の治療―機能障害へのアプローチ(脳の可塑性;正常運動の要素とその障害 ほか)
第4章 神経疾患へのアプローチ(神経疾患;検査・評価 ほか)
第5章 補助代替コミュニケーション―AAC(さまざまな補助代替コミュニケーション手段;AAC手段の選択と導入 ほか)