出版社内容情報
《内容》 本書は脳性麻痺の障害をもつ赤ちゃんの運動発達を分析し,その治療アプローチについて,懇切丁寧に書いたものである.姿勢の機能的な発達を30のポイントで示し,発達の流れの見方と援助の方法をわかりやすいイラストとともに解説した.また日本語版では,本書を読み進めていく上で必要な体や関節の動きについての解説を付録として加えた.本来セラピストのために書かれたものであるが,保育,看護,その他の専門職にはもちろん両親など保護者にも大いに役に立つ書であろう.内容の理解が容易であるということに加え,治療アプローチを通じて障害をもつ赤ちゃんへの接し方を本書によって学ぶことが可能といえる.本書の著者である Regi Boehme は,MilwaukeeにてBOEHME WORKSHOPSを創設し,Neuro-Developmental Treatment等 の教育プログラムを開催している.本書は,このワークショップの公式テキストシリーズの一冊である. 《目次》 はじめに 正常な発達について知ろう セラピー場面で感覚刺激を加減しよう 両親の危機的状態を理解しよう潜在する問題の徴候脳性まひの運動発達 序 問題1:頸の反り返りと舌の引き込み 問題2:腕を引き寄せる 問題3:腰の伸びと脚の曲げ 問題4:脚を伸ばして閉じる治療場面 仰向け1~4 うつ伏せ1~6 座った姿勢1~8 横向き1~4 横向きからうつ伏せへ 四つ這い 高這い 逆立ち 片膝立ち 歩く 前後に足を開いた姿勢 立った姿勢用語解説体や関節の動きについて 本書は副題に「知的好奇心のよる行動の研究」とあり,「作業」と並んで作業療法の中心的な概念である「遊び」を正面から取り上げた力作であり,編集者のM. Reillyは米国作業療法の発展に寄与した重要な人物である.遊びは複雑な労働技術や都市生活に必要な適応技能の発達に不可欠な能力であり,障害を改善するための努力の主たる源泉である,という彼女の代表的な考え方は,同時に作業療法の根底を流れる源泉でもある.本書はフロイトをはじめ,子どもの発達研究では著明なエリクソン,ピアジェらの理論を「システム理論」の中に統合し,作業療法における実践的な方法として提示している.遊びを治療と教育の両側面からとらえた内容は,特殊教育分野の関係者にも有益な視点や情報を提供してくれるだろう.第1部 はじめに 1.進歩に関するユートピア的神話 知識―行為の不連続/職業―教育の不連続/労働―余暇の非連続性/要約 2.くもの巣の定義づけ 語義に関するたわごと/進化論的説明/心理学的説明/社会文化的説明 3.遊びの一説明 説明の選択/学習の感知システム/遊びと想像/象徴の3つの言語/言語学習のシステム/遊びの行動的変 形第2部 はじめに 遊びの発見的教授法 4.遊びと障害児 障害児/感覚,知覚,知性の経路/芸術経験を介しての感覚入力の経路/カールとビクター/知的入力として のゲーム/遊びの手引き/要約 5.処方としての遊び 発達と歴史/時間,連続性,順序/歴史取得/分類/文脈/遊び歴の使用説明/過去を知るための現在/資 料の分析と解釈 6.遊びの尺度 本尺度の特徴/解釈/この尺度の利用法/関連事項/要約 7.遊び技術のインベントリー 評価の諸要因/インベントリーの範囲/インベントリーの説明/遊びのテストの手引き 8.職業選択:意志決定のための遊び はじめに/職業選択/選択の環境/遊びの特徴/職業選択技術のインベストリー/職業選択と不足を示す人: ケースの提示/遊びの環境を豊かにするための方略解説 作業行動理論と遊び 作業行動理論の歴史的背景/作業行動理論の提起/作業行動理論の発展/作業行動理論の展望