出版社内容情報
教育、臨床の垣根をとりはらった、すべての「運動の専門家」のための新しいテキスト!
【2色刷 / 図版多数収録】
基礎と臨床を合体させた画期的な内容構成で、卒前教育から臨床現場まで長く活用できる【運動学の基本図書】というべき一冊です。
理学療法士、作業療法士、柔道整復師、スポーツ関連養成校等で必須の「運動学の基礎知識」を完全網羅。
【教科書】として日々の学習にはもちろん、【国家試験対策】にも充分な力を発揮します。
800頁を超える大著でありながら、「学習のしやすさ」「読み進めやすさ」を徹底的に重視した編集で、とてもわかりやすくまとめられています。
★まったく新しい運動学の教科書★
これが、『人間の運動学』のコンセプトです。
ここでいう「新しい」とは、今までの運動学とは別物、という意味ではありません。
解剖学、生理学、運動の力学的メカニズム、関節運動学といった、運動学の基礎となる知識を、本書はくまなく網羅しています。
そのうえで、運動学では今まで扱われる事の無かった学際的な観点や、近年新しく分かってきた最新の研究などを加えることで、
「運動学」をより良くアップデートすることが、本書の狙いです。
その中心となるのは、近年目覚ましい発展を遂げている脳・神経科学、そしてそれに伴って少しずつ明らかになってきた、
「自己感覚」や「社会脳」をめぐる「意識」についての知識です。
人間の運動の背後にある神経作用、そしてその源である「身体化された心」までをも視野に入れた学問としての「新しい運動学」
というヴィジョンを、本書は提示しています。
はじめに
序章 「人間の運動」の誕生~サルからヒトへの奇跡………(宮本省三)
[1]人類の誕生
[2]人類の運動の進化
[3]第1の運動革命~樹上生活での移動と手の使用
[4]第2の運動革命~サバンナ生活による直立二足歩行と手の対立運動の発達
[5]手の進化
[6]人間の営みとしての行為
第?部 人間の身体
第1章 身体の解剖学………(宮本省三)
[1]解剖学は「運動器」という概念を誕生させた
[2]身体は左右対称形だが、「運動器」の変化によってさまざまな「姿勢」がつくられる
[3]骨は支持器官であり、運動の可動性を決める
[4]関節は連結器官であり、運動の空間性をもたらす
[5]靭帯は保護器官であり、運動の安定性を与える
[6]筋は実行器官であり、運動の出現を可能にする
[7]「人間機械論」の誕生
第2章 身体の運動学………(宮本省三)
[1]運動学は運動、動作、行為の「観察」から始まる
[2]運動学には「キネマティクス」と「キネティクス」がある
[3]キネマティクスの基本
[4]キネティクスの基本
[5]立位における重心、重心線、アライメント、基底面、体重、抗重力筋
[6]運動連鎖と筋収縮シークエンスを観察する
[7]基本姿勢、日常生活動作、随意運動、代償運動を観察する
[8]19世紀の整形外科医と神経科医たちが運動学を進歩させた
第3章 身体の神経学………(宮本省三)
[1]随意運動のメカニズム
[2]大脳皮質の機能局在
[3]大脳皮質の運動制御機構
[4]運動制御のための下行路
[5]運動制御の感覚調整機構
[6]大脳皮質の可塑性
[7]皮質下の運動調節機構
[8]脊髄の運動制御
[9]発達と学習
[10]社会脳としての心の器官
第4章 身体の生理学………(八坂一彦)
[1]筋収縮のメカニズム
[2]運動の感覚調節機構
[3]運動時の内部環境を調整する呼吸・循環
[4]体力トレーニング
第?部 運動する人間
第5章 肩関節の運動学………(平谷尚大)
[1]肩関節の基本事項
[2]肩関節における運動学のポイント
[3]肩関節の進化と機能の変遷
第6章 肘関節と前腕の運動学………(平谷尚大)
[1]肘関節と前腕の基本事項
[2]肘関節と前腕における運動学のポイント
[3]肘関節と前腕の進化と機能の変遷
第7章 手関節の運動学………(平谷尚大)
[1]手関節の基本事項
[2]手関節における運動学のポイント
[3]手関節の進化と機能の変遷
第8章 手指の運動学………(平谷尚大)
[1]手指の基本事項
[2]手指における運動学のポイント
[3]手指の進化と機能の変遷
第9章 股関節の運動学………(平谷尚大)
[1]股関節の基本事項
[2]股関節における運動学のポイント
[3]股関節の進化と機能の変遷
第10章 膝関節の運動学………(平谷尚大)
[1]膝関節の基本事項
[2]膝関節における運動学のポイント
[3]膝関節の進化と機能の変遷
第11章 足関節と足部の運動学………(平谷尚大)
[1]足関節と足部の基本事項
[2]足関節の足部における運動学のポイント
[3]足関節と足部の進化と機能の変遷
第12章 脊柱と頭部の運動学………(平谷尚大)
[1]脊柱の基本事項
[2]脊柱における運動学のポイント
[3]頭部の基本事項と運動学のポイント
[4]脊柱と頭部の進化と機能の変遷
第?部 動作する人間
第13章 発達の運動学………(宮本省三)
[1]子どもの反射と反応
[2]子どもの運動発達
[3]運動発達と反射・反応の関連性
[4]手の運動発達
[5]感覚運動統合
[6]子どもの発達理論
[7]自己意識の誕生
第14章 姿勢と動作の運動学………(田渕充勇)
[1]姿勢
[2]上肢の動作
[3]寝返り動作
[4]起き上がり動作
[5]座位
[6]立ち上がり動作
[7]立位
第15章 歩行の運動学………(田渕充勇)
[1]人間の歩行は巧緻運動である
[2]歩行周期
[3]パッセンジャーとロコモーター
[4]関節運動と筋活動
[5]重心移動
[6]床反力
[7]ロッカー機能と足圧の変化
[8]歩行の開始・停止・方向転換
[9]歩行分析
[10]歩行の決定要因
[11]歩行調節における3つのポイント
[12]歩行調節における各関節の機能
[13]歩行の障害
[14]ヒトの二足移動の特徴
第?部 行為する人間
第16章 行為のニューラルネットワーク………(園田義顕)
[1]行為に向けられた観察者のまなざし
[2]行為を生み出す神経システムの基礎
[3]末梢神経系のニューラルネットワーク
[4]中枢神経各部のニューラルネットワーク
[5]脊髄反射のサーキット
[6]ヒトの行為と脳機能システム
第17章 行為の運動学習………(八坂一彦)
[1]運動学習が運動行動を生み出す
[2]運動学習理論
[3]運動学習における知覚の役割
[4]運動学習のための注意の役割
[5]運動学習における記憶の役割
[6]運動学習における感覚フィードバックの役割
[7]運動学習における言語の役割
[8]運動学習の転移と発達の最近接領域
第18章 行為システム………(宮本省三)
[1]行為はシステムによって制御されている
[2]“認知する行為”という捉え方
[3]行為システムの階層性
[4]上肢、体幹、下肢の行為システム
[5]情報性の運動学へ
第?部 身体化された心
第19章 運動の鍵盤支配型モデルを超えて………(宮本省三)
[1]運動の鍵盤支配型モデルの誕生
[2]頭のないカエル
[3]反射から脳へ
[4]生命の演ずる人形劇
[5]ベルンシュタインの「運動制御理論」
[6]アノーキンによる機能システムの概念
[7]遠心性インパルスだけでは運動を制御することは不可能である
[8]“美しい音楽”を奏でる「運動野のピアノ」には音符と和音がある
[9]人間は“無限の意図の自由度”を奏でる
第20章 空間を生きる………(宮本省三)
[1]空間の誕生
[2]身体表象
[3]空間表象
[4]身体空間
[5]身体周辺空間
[6]身体外空間
[7]「私」というイメージ
第21章 コミュニケーション行為………(宮本省三)
[1]世界と対話するための行為
[2]“指差し”という行為
[3]身振りとしての行為
[4]道具使用という行為
第22章 人間は“意識”を動かして行為する………(宮本省三)
[1]意識とは何だろうか?
[2]“意識の志向性”と“志向的な関係性”
[3]意識による行為の制御
[4]行為の発達、学習、回復のために
[5]身体を生きる
[6]身体化された心
終章 ヒューマン・パフォーマンス………(宮本省三)
索引
宮本省三[ミヤモトショウゾウ]
著・文・その他
八坂一彦[ヤサカカズヒコ]
著・文・その他
平谷尚大[ヒラタニショウタ]
著・文・その他
田渕充勇[タブチミツヲ]
著・文・その他
園田義顕[ソノダヨシアキ]
著・文・その他
感想・レビュー
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yutayonemoto