内容説明
150年目の今年、番組小学校創設に迫る!番組小学校とは…京都に明治2年できた、全国初の学区制小学校。わずか1年で64校誕生した。京都出身の著者が母校の発祥を描く歴史小説!
著者等紹介
荒木源[アラキゲン]
1964年京都市生まれ。番組小学校を発祥とする京極小学校卒。東京大学文学部仏文科卒業後、朝日新聞社会部記者を経て、2003年に『骨ん中』で作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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田中峰和
6
維新後、長州藩が京都での権力も掌握し、教育制度改革と奠都に手を付けた。既存の町組を番組に改組し、それぞれに一校の小学校を作る案を京都府民に受け入れさせようとした。上京下京の都心部は元々寺子屋が多く、識字率も高かったが、貧しい家庭の子には教育を受ける機会がなかった。政府は教育の普及が国造りのかなめになると考えたが、誇り高い京都人は言いなりにはなりにくい。地域による収入格差は埋めがたく、主人公・豆腐屋の奏七郎が属する29番組は町衆の寄付金集めもままならない。文字を覚えたい子たちの夢を実現するため身を粉にする。2020/01/04
トト
3
明治の初め、日本初の小学校設立をモチーフにした物語。京都の区割りでその時できた数は64校。お金もいっぱい必要です。 苦労譚というより、その時に関わった人間模様が中心。視点も登場人物によって変わり、当時の生活感がリアルに感じられます。 『大きな絵を描く者がいなくては何も始まらない。しかしそれを丁寧に、地道に形にしていく者も劣らず大切』なのは、全てのプロジェクトに当てはまる気がしました。 2019/07/25
林芳
1
日本で最初に小学校が作られたこと。それも短期間に校舎が建てられたこと。それも町の人たちの寄付で、という事実は知っていたけれど、そこにはいろいろな人のいろいろな思惑がありっていうのまで、想いをいたすことが出来ず。だからこそ面白かった。2022/07/08
ちゃーりー
1
京都の維新後の復旧と小学校設立の物語、気軽に読めます。2020/02/22
johngaraman
1
台風の中二日間かけてじっくり味わう。豆腐屋さんが頑張る物語なんだけど、先見性を持っている人、沽券を大事にする人それぞれがその局面を懸命に、それこそ空き巣狙いだって懸命に生きて小学校を立ち上げる。そんなご苦労があればこその義務教育、もっとまじめにやればよかったよ。どうもすいません。2019/08/16