出版社内容情報
三田 知実[ミタトモミ]
著・文・その他
内容説明
1980年代以降、生産の場が途上国に移転し、デザイン機能のみが先進国に残ったアパレル産業。グローバルな再編を通じて発展する衣料デザインの現場とそれを支える地元住民、文化としての発展に寄与した雑誌メディア、そして投資に舵を切った高級ブランド巨大資本…多様なプレイヤーたちがもたらした新たな都市の成長を、都市社会学の観点から追う。衣料デザイン、まちづくり、そして不動産投資―せめぎ合う「グローバル」と「ローカル」、20年の軌跡。
目次
第1章 高級街区・表参道と都市細街路・裏原宿の変容過程
第2章 都市社会学の先行研究と本書の位置づけ
第3章 住宅街から高級衣料文化生産グローバル拠点への変容
第4章 地元住民を中心としたあたらしい地域集団の形成
第5章 衣料文化生産者から機関投資家主導の都市細街路成長へ
第6章 知識生産・文化生産・地域社会の結びつきによる都市の持続的成長
著者等紹介
三田知実[ミタトモミ]
1978年生まれ、神奈川県出身。2012年、立教大学大学院社会学研究科博士課程後期課程修了、博士(社会学)。立教大学社会学部助教を経て、熊本県立大学総合管理学部准教授、立教大学グローバル都市研究所特任研究員。2014年、日本都市社会学会若手奨励賞(論文の部)受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ぷほは
9
自分の中でファッション研究と都市研究・まちづくりの活動はまったく繋がっておらず、その接点を探ろうとすらしてこなかった。しかし本書では「空間における記号価値の投資による操作」という観点から、表参道と裏原宿がいかにグローバル都市として成長してきたかを鮮やかに浮かび上がらせている。コンパクトな文量で学生と一緒に読んで議論を深めたくなるし、大阪や神戸、京都などの都市との比較も面白そう。本当に優秀な人が時間をかけて、地道な調査と圧縮された執筆によって結実させていて、比べるのも不遜だが自分の力量不足に恥じ入るばかり。2023/03/14
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