出版社内容情報
[推薦]福島みずほ(社会民主党党首/参議院議員)
「本書を推薦します
いつの時代も貧困の“しわ寄せ”は女性の身に」
ある日突然消えた乳母は、“お妾さん”にされた──
戦前からコロナ禍の現代まで「戦争に向かう日本」の陰で、搾取される女性の性
現代につづく「女性の貧困」問題に迫った必読の書!
内容説明
ある日突然消えた乳母は、“お妾さん”にされた―戦前からコロナ禍の現代まで「戦争に向かう日本」の陰で、搾取される女性の性。
目次
第1章 ウサギと五・一五事件(養兎慰霊碑;五・一五事件;もう一つの五・一五事件 ほか)
第2章 戦争と女性の性(からゆきさん;買春と売春の歴史;奴隷制度を隠す奉公制度 ほか)
第3章 現代の格差と貧困(監修:吉田正穂弁護士)(コロナ禍と貧困;女性の貧困が子どもの貧困へ;ヤングケアラーと虐待・自殺 ほか)
著者等紹介
いのうえせつこ[イノウエセツコ]
1939年岐阜県大垣市生まれ。県立大垣北高校・京都府立大学卒。子ども、女性、平和などの市民運動を経て女性の視点で取材・執筆・講演活動。フリーライター。一般社団法人日本コンテンツ審査センター諮問委員。一般社団法人AV人権倫理機構監事。NPO法人精舎こどもファンド代表。NPO法人あんしんネット代表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヒデミン@もも
47
帯に『ある日突然消えた乳母は〝お妾さん”にされた』とあるが、幼いいのうえさんは、“お妾さん”になったんだと思ったそうだ。そのぐらい当たり前だった女性の立ち位置をおかしいと声を上げ続けてくれた先輩方々がいて、私たちがいる。おわりにで、今の日本の危うさを訴える。私たちの世代もその思いを伝えていかなければならない。2022/09/02
futomi
1
著者の子守りだったチヨさんがある日、他所の家に妾として売られた記憶から発した女性の歴史。白拍子から「新日本女性」という名の下に集められた戦後の慰安婦。 79ページ「開国以前からの日本の伝統的な遊郭制度…女性を『供給』することを優先させる意識…そうした意識を女性自身も少なからず共有していた」 コロナ禍での貧困の格差についても言及。話題が広がりすぎて読みづらい点はあるが、近代史は知らないことが多く今更ではあるが学び中。 128ページの写真のその後に驚きます。その状況から何を感じどう行動するかが課題だ。2021/12/29
おかゆ
0
記憶にも新しい、立ちんぼ女教師の問題の時に覚えた違和感をこの本を通して思い出しました。商売は売ると買うの関係で成り立っているはずなのに、売春防止法しかない。経済的な理由から仕方がなく選んだ職業のはずなのに、何故買う側は裁かれないのだろう。ましてや慰安婦や大陸の花嫁の名で、国家的な制度として売春が行われていたこともあったのに、売春婦を下賎な仕事として扱う矛盾。全ては一個人の性をお金で掌握できるという間違った考えを正さない限り解決は難しいと思います。2022/05/24