内容説明
資本主義は、その歴史的役割を終えたのか?「価格」という社会制度を前提とした視点に加え、普遍的な「価値」としての投下労働量から見た、日本経済の軌跡と展望。資本主義を相対化することで見えてくる、格差拡大や経済断片化のメカニズムとは。政治経済学の俊英が鮮やかに分析する日本経済。
目次
第1部 社会分析の基準としての投下労働量(なぜ投下労働量分析が必要か;投下労働量の意味;投下労働量と利潤量;投下労働量の増加が意味するもの)
第2部 「搾取の第一定義」を超える搾取と資本主義の歴史的役割(「搾取の第一定義」を超える搾取の必然性;「搾取の第一定義」を超える搾取を算出する;日本経済における資本蓄積の有効性―労働生産性の観点から;日本経済の景気循環と資本主義の歴史的役割)
第3部 日本経済の構造変化と金融化(置塩型利潤率の動向からみる日本経済の構造変化;利益率の多様化に見る日本経済の断片化;日本経済における金融化と産業資本の性格変化;金融的収益の重要かと格差の変動の関係―資本収益率均等化の観点から)
著者等紹介
田添篤史[タゾエアツシ]
三重短期大学准教授。1984年生まれ。2012年、京都大学大学院経済学研究科経済学専攻博士後期課程修了。博士(経済学)。京都大学経済学研究科ジュニアリサーチャー、京都大学アジア研究教育ユニット研究員などを経て現職。2017年、The Distinguished Achievement Award in Political Economy for The Twenty‐First CenturyをWorld Association for Political Economyより受賞、2018年、基礎経済科学研究所創立50周年記念懸賞論文において奨励賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。