内容説明
長いあいだ音楽史のページからはみだし者のように扱われながらも、J.ケージ、B.イーノら現代音楽の旗手たちに多大な影響を与え、多くの愛聴者をえるようになったその音楽の謎を、サティ自身が書き残したことば―膨大な断片、書簡、講演原稿、音楽論、詩、音楽劇の中に探る。
目次
1 最後から二番目の思想
2 健忘症患者の回想録
3 哺乳類の手帖
4 サティ詩抄
5 メドゥーサの罠
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
片瀬
14
19世紀末、第1次大戦前後のパリで活躍した作曲家エリック・サティが残した多大な文章の選りすぐり。音楽史や音楽理論はさっぱりなので、サティが「音楽史のページからのはみ出し者」だったのをいいことに気兼ねなく読みました(このように、歴史を紐解くことへのたのしみは私にはまだわからないのです。嘲笑してください)。しかし、<音楽>の自然な姿を追求した彼の生涯を知るには、あまりにも断片的すぎました。サティの友達なら大笑いして読んでくれると思います。自分にとっては、第2章の「健忘症患者の回想録」が面白かったです。2014/12/13