内容説明
イスラム教信仰に回帰するシリア人の父、帰国したいフランス人の母。シリアの信心深い親族に囲まれ、小学3年生になったリアドは、シュワルツェネッガーに憧れる。―ハーフィズ・アル=アサド独裁下のシリアで、一家はどこへ向かうのか?
著者等紹介
サトゥフ,リアド[サトゥフ,リアド] [Sattouf,Riad]
コミック作家、映画監督。1978年パリ生まれ。シリア人の父とフランス人の母の間に生まれ、幼年期をリビア、シリア、フランスで過ごす。2010年『Pascal Brutal』第3巻でアングレーム国際漫画祭・年間最優秀作品賞を受賞、2015年にも『未来のアラブ人』1巻で2度目の受賞を果たす。『未来のアラブ人』1巻(花伝社)は、第23回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞受賞。自ら脚本・監督を担当した映画に『Les Beaux Gosses(いかしたガキども)』(2010年セザール賞・初監督作品賞)など
鵜野孝紀[ウノタカノリ]
1967年東京生まれ。1995年から2013年までパリの日本漫画出版社スタッフを務めた後、フランス語翻訳・通訳。また日仏双方向で漫画やバンド・デシネの出版企画に携わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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どんぐり
84
『未来のアラブ人』第3巻。唯一絶対の神(アラー)のイスラム教を信仰するシリア人の父、第三子の出産を前に帰国したいフランス人の母、信心深いムスリムの親族に囲まれて過ごす小学3年生のリアド。真のムルリムになるためにと父に言われ、割礼を受ける。その見返りがグレンダイザーの人形だったはずが、父親の猟銃に化ける。父親のリヤド大学名誉教授の採用が突然決まり、一家はサウジアラビアへ。4巻目につづく。2024/10/26
アキ
77
シリア人の父とフランス人の母とシリアで暮らすリアドは7歳。1985年シリアはアサド政権(ハーフィズ・アル=アサド)。子ども目線から見たアラブ人の世界は、相変わらず西洋とも東洋とも違う世界。貧しさも割礼も体罰も、それが過去になって振り返るとユーモアをはらんだ思い出になるのは不思議。あとがきで著者リアド・サトゥフが憧れの日本に来た時のエピソードが印象的。吾妻ひでおのファンで会えることを楽しみにしていたが会えず、フランスに帰国後に訃報を聞いたと。水木しげる『総員玉砕せよ!』や吾妻『失踪日記』を愛読してたらしい。2020/12/05
たまきら
35
母が三人目の息子を妊娠したので、一緒にフランスに帰国する著者。シリアの学校とフランスの学校を比べる姿を見ながら、自分もアメリカに越したとき同じことを感じたなあ…と思い出しました。先生に平気で言い訳するクラスメートにもビックリしたっけ…。そして家族はまた引っ越しです。巻末にアマビエがいてちょっとほっこりしました。2025/01/15
チョビ
3
異文化交流なんてまやかしなんだな、と思う。日本の場合はそこに幻想を持つからカルチャー化されるんだけど、その辺が日常化している場所では、「うまくやろう」という考えがないんだろう。現にフランスのおばあちゃんの「いらないもの」に対する考えは、日本のその協会の方々が吊し上げするべきなのにしないでしょ?著者の母にしても自分の育ったカルチャーは受け入れても夫の文化は受け入れないその象徴だなと。そこに著者の自己への絶対価値観が余計に読者を混乱させる。2024/07/18
Melody_Nelson
3
リアド少年はシリアに慣れてきてるものの、ママは矢張りシリアでの生活に不満。せめてダマスだったら違ったのだろうけど。とはいえ、なんだかんだで夫婦仲良さそうだし、リアド父のゆるいムスリムっぷりも面白い。彼がリアドに語る会話が勉強になる。最後の展開に驚いたので、早く4巻目が読みたいー。2021/07/15
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