内容説明
なぜアオサギは不気味になったのか?「孤独、孤高、精悍なアオサギ」のヨーロッパ。「火を吐く妖怪、不気味で憂鬱なアオサギ」の日本。なぜアオサギのイメージは日本と西欧で全く異なるのか?サギの生態に魅せられたサギ博士が、古今東西の文学を渉猟して、サギ像分裂の背景を探り、人間と動物の関わりに思いをはせる。
目次
第1部 分裂するアオサギ像―日本と西欧(アオサギの紹介;「鷺の歌」との出会い;英・仏文学におけるアオサギ像 ほか)
第2部 妖怪アオサギ―日本人にとってのサギ(かつてアオサギは妖怪だった;夜にも活動すること;アオサギはゴイサギと混同されていた ほか)
第3部 羽根飾り問題とサギたち(サギ類とヒトとの関わり合い;装飾としての羽根利用;フランス革命と羽根飾り ほか)
著者等紹介
佐原雄二[サワラユウジ]
1949年兵庫県生まれ。1971年東京大学理学部生物学科動物学課程卒業。1978年東京大学大学院理学系研究科修了(理学博士)。弘前大学教養部、同農学生命科学部を経て2014年退職。現在、弘前大学名誉教授。専門は動物生態学。主な研究テーマは魚類と魚食性鳥類との種間関係。主な著書『さかなの食事』岩波書店、1979年(毎日出版文化賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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OHモリ
15
・大学名誉教授が書いたアオサギ愛に満ちた著作。アオサギやサギについて内外の文献を読み漁って書かれた貴重な文献。独創的な視点で書かれた貴重な一冊であると思う。だけど正直なところ読みにくかった。文献の引用がかなりあるのだけど学術論文ではないので引用は最低限にして要点だけ書いてもらった方が分かり易かったなとは思う。感想はブログに→https://plaza.rakuten.co.jp/drunk4374books/diary/202206220001/2022/06/17
澤水月
8
宮崎駿映画「君たちはどう生きるか」参照に。サギ(宣旨受け五位)、アオサギ(日本では光る妖怪・不気味、西洋では憂鬱・孤高)の扱われ方の違い!近代詩から抽出していくはずがどんどん小説に脱線するがその中盤から後が面白い。石燕、金子光晴、泉鏡花その他多士済々。出だしが論文的で超こなれず困惑したが初めは青森の地元紙連載とのこと。終盤はセレブ階級のへ飾り物羽根乱獲が止まっていった経緯(女性ファッション誌大きく関わる)。君どう受けて一般向けリライト版出されたらいいのに2023/08/29
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