内容説明
戦争犯罪を裁く正義とは、いかなるものなのか。東京裁判で日本を弁護したアメリカ人弁護人たちの願いとは。日本だけでなく、人類史に繰り返し現れる暴力と虐殺。東京裁判を全面的に肯定もせず、全面的に否定もしない立場から戦争が常に感情論で裁かれている事実に抗して、困難な正義を模索する。
目次
第1章 戦争犯罪と極東国際軍事裁判
第2章 裁判で争われた問題点
第3章 日本を弁護したアメリカ人弁護人たち
第4章 国際軍事裁判の問題点を指摘した欧米の意見
第5章 中国の戦争犯罪
第6章 韓国の戦争犯罪
第7章 日本占領と東京裁判の情報論的考察
第8章 戦争と敗戦の学術的考察
著者等紹介
北原惇[キタハラジュン]
1937年生まれ。横浜出身。武蔵高校卒。1961年モンタナ大学(米国モンタナ州ミゾーラ市)卒(社会学と人類学の二専攻)。1968年ウプサラ大学(スウェーデン)修士課程修了(社会学専攻)。1971年ウプサラ大学博士課程修了(社会心理学専攻)。同年哲学博士号を受ける。メリーランド大学、ミシガン大学、サンフランシスコ大学、ニューヨーク州立大学(バッファロ)などでの教職、研究職を経て1997年までノーデンフェルト・インスティテュート(スウェーデン・イエデボリ市)所長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
くらーく
0
著者の本をぜひ米中韓で発売して欲しいけど、まあ無理なんだろうな。 まずは、日本人がきちんと過去を検証して、常識にしていかないとな。 事実を確認して欲しいのよね。本書で書いてあることも含め。 ただ、それが許されない雰囲気が出来てしまっているのが、何ともなあ。本当に日本人は、空気を読みすぎて。物言えば唇寒し秋の風。。。かな。 2015/07/04
Hirokazu Ebihara
0
これまで読んだ関連本の中でも、最も腑に落ちる内容の一冊。いわゆる右/左という立場ではなく、中立的な視点から東京裁判の矛盾を記述している。また、ここに紹介されている中国・韓国の戦争犯罪は衝撃的。最後の、動物行動学からの分析は唐突な感じがなきにしもあらず。2015/05/05