内容説明
時代は幕末。東北の小藩・海坂藩の下級武士、片桐宗蔵。友を「上意討ち」させその妻を弄んだ権力者に対して、彼と彼女の無念の思いをはらすために秘剣を揮ったが、「侍」であることの虚しさを痛感。禄を返上し、愛する女性きえとともに「町人」として生きていくという決意をして、「蝦夷地」へと旅立つ…。時代のうねりの中その侍はなぜ刀を棄てようとするのか?近代に踏み込む人間のもう一つの可能性。藤沢周平・原作と山田洋次・映画との重なり合い。
目次
第1章 藤沢・山田両作品世界の重なり合いの深まり
第2章 「侍」であることをめぐる主人公の態度
第3章 「商売」について
第4章 武家のしつけおよび女性に対する主人公の態度について
第5章 戦闘技術について
第6章 人間の愚かさ・哀れさへの眼差し
第7章 映画の物語における「これから」の方向付け
第8章 『たそがれ清兵衛』・『隠し剣鬼の爪』の幸福論
著者等紹介
幸津國生[コウズクニオ]
1943年東京生まれ。東京大学文学部卒業。同大学院人文科学研究科博士課程単位取得。都留文科大学勤務をへて、ドイツ・ボーフム大学ヘーゲル・アルヒーフ留学(Dr.phil.取得)。現在、日本女子大学勤務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
-
- 和書
- ささえあいの神道文化