内容説明
一匹の猿がはじめた「サツマイモを洗う」という行為が、群れ全体に定着したとき、海を越え、遠く離れた別の群れの猿たちも同じ行動をとりはじめる…。サツマイモを洗う猿の数がある臨界値(便宜的にその数を「百匹目」とした)を越えると、その行動は、その群れ全体に広がるだけではなく、遠く離れた他の場所に生息する猿たちの間にも自然に伝わるという、「百匹目の猿現象」の発想をもとに、地球や人類の将来について考察した注目の書。
目次
第1章 「百匹目の猿現象」とは(認められた「百匹目の猿現象」;「シェルドレイクの仮説」が解く謎 ほか)
第2章 ホモ・サピエンスの奢り(このままでは人類があぶなくなる;近代文明とはいったいなんだったのか ほか)
第3章 21世紀の予兆(起こったことは必要、必然、ベスト;世の中に続出している本物化現象 ほか)
第4章 「百匹目の猿」になろう(よい人相になる生き方をしよう;いつも学ぶことが未来に夢をつなぐ ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
らら180
1
一匹の猿がサツマイモを海水で洗うとおいしいことに気付き、群れをなしてその行為したら、連絡を取り合っているのでもないのに全国各地の遠く離れた土地の猿たちもサツマイモを洗って食べるという行動が見られたらしい。この本は2000年に出版されたが、「鳥インフルエンザ」や2011年に全国で広まった「タイガーマスク運動」も百匹目の猿現象に繋がるのではないかと思う。2015/12/30
カモメ
1
世の中が変わる、とはどういうことなのか、がよく分かる一冊。百匹目の猿の現象は読んでいてオモシロかったし、筆者の独自の考えるルートが新鮮だった。前者からは、社会をより良くするときに、ロジャーズが定義した「イノベーター」が大事だ!という発想になりがちだが、「アーリーアダプター」を増やすことの重要性を認識した。後者については、筆者が東洋思想を大事にしていること、生物学といったアカデミックなところから根拠を持ってきているところが、自分の理想像と近くて、参考になった。恣意性と偶然性についても新鮮だった。2014/02/25
おおや
0
思いは伝播する
maikajasper
0
良い行いはある程度以上の比率になると、空間を越えて波及するとの理論。猿のイモ洗いが100匹を超えた時点で、他の地域にも飛び火した事による。当初はとても面白く読めたが、後半は生まれ変わりや超常現象が実存するとの内容になってしまう。2004/01/26