内容説明
この作品集は日本の黒沢明監督がシェークスピアの『リア王』を題材にした映画「乱」(1985)から始まり、イギリスの監督ピーター・グリーナウェイが日本古典を題材にした「枕草子」(1996)で終わっている。どちらも古典作品でありながら、今までにない新しい世界をつくり出している。国際的な場に仕事が広がっているワダエミの最新作品集である。『MY COSTUMES‐emi wada』に新作「プロスペローの本」「エディプス王」「枕草子」を加え、新装して出版した。
目次
乱
竹取物語
MANDALA
MOMOTARO FOREVER
BEGIN THE BEGUINE
夢の祭り
HARIMAO
利休
夢
プロスペローの本〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
242
ワダ エミ氏は言う。「私の作品はすべて、ひとつのフィクションのなかで、一瞬の輝きのためにつくられたもの」。そしてそれらを「秀逸な偽物」と。イリュージョンの世界を形創る衣装の数々。いずれもがたまさかの幻影であるだけに、そこに妖艶な色と形が漂う。本物の再現でないことがこれほどの美を放つことに驚く。まさに美は幻影にこそ宿るのである。"MANDARA"の華麗さ。"MOMOTARO"の魔女の凄艶なまでの美しさ。"HARIMAO"のエキゾティズム。いずれのページにもワダ エミの夢の跡が乱舞する。2024/11/22
baアタマ
2
96年初版。「ひとつのシステムのなかで自分をまげてまで仕事をすることはしていない。」というワダエミさん。舞台や映画ででいかに美しく本物らしく見せるかという舞台衣装の仕事への信念と情熱が高いレベルの作品を築いている。現在75歳。素敵な女性です。 2012/03/12
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