出版社内容情報
第二次世界大戦後、歌舞伎座復興改築[1951(昭和26)年]と旧明治座復興改築[1958(昭和33)年]に携わった建築家・吉田五十八の考案によって両劇場内に掲げられることとなった美術品の数々は、「幕間の美術館」として、両劇場において美と情緒の象徴としての重要な役割を担うものとなり、いまに受け継がれている。吉田五十八による劇場美術館構想に倣ったともされる国立劇場においても、1966(昭和41)年、社団法人経済団体連合会(現・日本経済団体連合会)、河北倫明(美術評論家・当時、国立近代美術館次長)らの尽力により、わが国初の伝統芸能の殿堂としての荘厳な佇まいをみせる劇場に掲げられるに相応しい、当代最高峰の名品が場内を彩った。本書では、歌舞伎の殿堂としての歌舞伎座、商業演劇の殿堂としての明治座、日本伝統文化の殿堂としての国立劇場、この三大劇場の劇場空間を鮮やかに彩り続ける美術コレクションを一堂に紹介。独立行政法人 日本芸術文化振興会(国立劇場)、株式会社歌舞伎座、株式会社明治座、そして創業百三十周年を迎えた松竹株式会社の特別協力のもと、その秀逸なコレクションの全容を紹介することが叶い、各劇場のコレクションをとおして、日本が誇る巨匠たちの芸術世界とその軌跡を通観するという画期的な試みが実現。戦後、吉田五十八の構想によって実現をみた歌舞伎座と明治座の「幕間の美術館」に端を発し、国立劇場開場時に劇場内のあちこちに飾られた名品の数々から、戦後日本における劇場美術館の成り立ちとその意義に迫る。わが国が誇る三大劇場を彩り続ける巨匠たちによる美の饗宴をとおして、日本美の伝統を守りながらも、表現の可能性を追い求めて格闘した革新的な近代日本美術の精華を堪能できる一冊。
【目次】
序にかえて
第一章 国立劇場名品コレクション 独立行政法人 日本芸術文化振興会(国立劇場)特別出品
第二章 松竹株式会社名品コレクショ 松竹創業百三十周年記念特別出品
第三章 歌舞伎座名品コレクション 株式会社歌舞伎座特別出品
第四章 明治座名品コレクション 株式会社明治座特別出品
論考:「劇場美術館の軌跡―近代日本美術の精華―」石田久美子



