内容説明
世界中で高い評価を受ける、ショーン・タン。絵本『エリック』やグラフィック・ノベル『アライバル』の作者、画家、デザイナー、映画製作者として『ロスト・シング』でアカデミー賞受賞…多方面で活躍する作家のこれまでの軌跡をたどり、作家自身による詳細な作品解説と創作の源に触れたエッセイ、図版194点を収録した初画集!
目次
迷子たち
仲間
神話とメタファー
鳥
著者等紹介
タン,ショーン[タン,ショーン] [Tan,Shaun]
1974年、西オーストラリア州フリーマントル生まれ。世界中で高く評価されているアーティスト。本書は彼の25年以上に及ぶ多才なキャリアが生んだ主要作品の数々から未公開のドローイングまで、自選作品と自身による詳細な作品解説、さらに主要なテーマについてのエッセイを収録した初の画集。主な著書に、文字無しのグラフィック・ノベル『アライバル』(アングレーム国際漫画祭最優秀作品賞受賞)、自ら監督しアニメ化もした絵本『ロスト・シング』(映画は第83回アカデミー賞短編アニメーション部門受賞)、『遠い町から来た話』(ドイツ児童文学賞受賞)などがある。2011年に初来日
岸本佐知子[キシモトサチコ]
翻訳家。2007年『ねにもつタイプ』で第23回講談社エッセイ賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
242
ショーン・タンの作品集。巻末にはタン自身による絵の解説も。さらには半生を語る自伝的エッセイを併録。ショーン・タンのファンには垂涎ものの本。表紙カヴァーは「オーウェン」。タンの絵に通有する優しさと、その底にある哀しみ、生きてあること、今ここに存在することの神秘を物語るかのような絵だ。彼の記憶に残る最初の絵も掲載されている。2匹の恐竜が向かい合う絵なのだが、なんとタン3歳の時に描かれたもの。まさに栴檀は双葉より芳しである。初期の頃には、器物が生命を宿したものが多く見られる。それを描くタンの眼は、慈しみに⇒2025/06/06
starbro
153
ショーン・タン は、新作中心に読んでいる絵本作家です。著者が、25年間に創作した作品群より厳選した初画集、オリジナリティと魅力に溢れています。 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000036.000129182.html2024/12/16
たまきら
43
ショーン・タンの画集です。彼自身が語る「最初の絵」、作品のスケッチや不思議な「クリーチャー」たちを堪能しました。どこか危険なにおいがするのに、ささやかでも温かなものがある。そんな彼の世界観が多くの絵から伝わってきます。どの絵も素敵ですが、荒波の中猫の額の上で抱き合う人たちを描いた「世界一の猫」という一枚に心を揺さぶられました。16歳になってめっきり体重が減ったロクを抱きしめる度に、同じことを思っているからでしょうか。2025/03/12
けいこ
34
ショーン・タンの作品とエッセイ、そして自身が作品の解説をしている豪華な1冊。それぞれの作品に意味はあるのだけれど、それを求めるのは無粋なのかもしれない。見る人それぞれに、自由に、それぞれの想いがあればいい。どれも息づかいを感じる『クリーチャー』たちに目を奪われる。この世界観、大好き。そして昔の私のレビューでちょっと盛り上がった社畜の『セミ』はやっぱり日本の文化をヒントにしたらしくて苦笑い。読み友さんから教えていただいた大満足の1冊。感謝です!2025/06/22
練りようかん
20
盛り沢山な豪華本。まず見開きの「天国に行く途中」の迫力に惹き込まれ、クリーチャーとモンスターは別物というエッセイにハッとさせられ、あのセミにニンマリして作品解説でまたドローイングや絵画にページを戻す、とっても楽しい時間だった。“帰属意識が支配する世界は居心地のいい場所ではない”など、作品を生む思考の源流に触れられたのがありがたい。彼にとって鳥が特別で象徴が深いように、いいなと思う生き物には高確率で尻尾がついていて、近いものがあるかもしれないと思えたのが発見だ。「顔文字たち」がすこぶる可愛い!面白かった。2025/06/02
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