内容説明
フランス絵画の巨匠二人の親密な、魂の交歓。62通の往復書簡、肉筆の写し、美しいポートレートのほか、ボナール没後の評伝記事に、マティスが抗議の殴り書きをした伝説の切り抜きも掲載。解説の美術史家アントワーヌ・テラス氏はボナールの大甥。待望の翻訳本には画家、野見山暁治氏の言葉を特別収録。
目次
ピエール・ボナール|アンリ・マティス 往復書簡 1925‐1946
「書簡に寄せて」(ジャン・クレール)
「マティスとボナール:四十年の友情」(アントワーヌ・テラス)
野見山暁治
著者等紹介
山内由紀子[ヤマウチユキコ]
1969年生まれ。英語・仏語翻訳家。東京大学教養学部フランス科卒業。ニューヨーク州立ファッション工科大学卒業。長年の会社勤務の後、現職に転身。東京、神奈川の他、パリ、ルクセンブルク、ニューヨークで生活経験がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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帽子を編みます
49
新着図書のコーナーにありました、どうしても手に取りたくなるのはなぜでしょう。フランスの画家ボナールとマティスの往復書簡、絵葉書から始まった文通は二十年超続きます。二人の友情、親愛、絵画への思い、「この展覧会、君も出す?」ちょっとした問い。筆記体の手紙、Mon cher〜から始まる手紙、戦時中の不自由な状況、お互いの体調を気遣うもの、読んでいて二人の関係が心地良かったです。お互いへの尊敬、理解、こんな友と手紙を交換しあえるのは羨ましい。挟み込まれるモノクロの写真、艶のある白い用紙、美しい装丁です。2023/10/07
フム
39
図書館本。8月で終わったマティス展に行けなかったことを残念に思っていたところだった。野獣派として鮮やかな色彩が目に飛び込んでくるようなマティスと、印象派を引き継いだような、ボナールの作品からは、想像できなかったが、2人には40年もの友情があった。残された書簡に、そのあたたかい交流を見ることができる。お互いの健康的を気遣いつつ、むすびには「あたたかい友情を」という言葉が添えられていて、離れている間もお互いを思う気持ちが尊い。書簡を通して2人の画家の人間性に触れられることで、作品の鑑賞も深まりそうな気がした。2023/09/14
takakomama
7
2歳違いの同時代の画家、ボナールとマティスの62通の往復書簡。ふたりの写真や肉筆の写しも載っています。自身の体調や仕事、友人や戦争、不安や悩みなどの本音を打ち明け、相手を気遣い、励まし合っています。お互いに心を許せる大切な友人ですね。2024/02/12
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- 電子書籍
- 2nd 2017年7月号 Vol.124