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内容説明
原三溪は横浜において生糸貿易や製糸業などで財をなした実業家である。同時に独自の目利きで美術品を蒐集した「コレクター」であり、慣例にとらわれない自由な茶事を催した「茶人」であり、古建築を移築して三溪園を作庭、また自ら書画・漢詩をよくした「アーティスト」であり、有望な美術家を支援した「パトロン」でもあった。4つの側面から明治・大正・昭和を生きた文化人・原三溪の全貌を描き出す。
目次
相関略図―三重塔としての原三溪
1 三溪前史―岐阜の富太郎
2 コレクター三溪
3 茶人三溪
4 アーティスト三溪
5 パトロン三溪
資料篇
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
くれは
2
2019年度の日本美術の展覧会では最も重要な展覧会かもしれないです。特に室町~桃山期の絵画作品が充実しており、20数点しか作品が現存していない啓書記(祥啓)の優品「山市図」や、同じく数点しか作例がない霊彩の代表作「寒山図」など、この時代の優品をこれだけまとめて見られる機会はそうそうありません。またこれらに限らず、全体として日本美術史を通史的に総覧できるコレクションで、驚きました。原三渓自身の作品も趣味の域を大きく超えており、決して財力だけでなく氏の「眼と手」があってこそ形成しえたコレクションだと思います。2019/07/27
kaz
1
原三溪のコレクションは、凄いとしか言いようが無い。美術品の散逸を防ぐという面での功績は大きい。本人が描いた絵も、まさにプロ。当時のパトロンとしての影響も大きい。財力があり、見る目があり、腕もある。2020/01/19