内容説明
虫や花は、いのちの限り、冒険を続ける。見て、見つめて、見極める…これが私たちの世界だと。細密画家・熊田千佳慕が見つめていた、虫や花たちのいのちの物語。一本の鉛筆が紙の上を走ると、春を迎えて喜び舞うちょうやはち、甘いみつに酔うはなむぐりたち、えものを狙うかまきりやとんぼたち…自然の時計にしたがって、精いっぱいに生きる姿が広がった。
著者等紹介
熊田千佳慕[クマダチカボ]
1911年横浜市生まれ。細密画家・童画家。東京美術学校(現・東京藝術大学)鋳造科在籍のまま、山名文夫に師事し日本工房にデザイナーとして入社。同僚の土門拳とポスターなどを数多く手がけた。70歳で「ファーブル昆虫記」の作品がボローニャ国際絵本原画展に入選し、一躍脚光を陽びる。2009年8月13日98歳で死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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anne@灯れ松明の火
14
図書館で偶然出会った。朝日新聞のおまけ?に時々ポスター?が入っていて、名前は知っていたが、詳しいことは知らなかった。司書さんから「亡くなった後、遺品から見つかったものを出版したんだって」と聞いた。小さな生き物を見つめる真剣な目、確かなデッサン、自然への愛情を感じた。2011/09/28
pocco@灯れ松明の火
13
プチファーブル熊田千佳慕先生。地面に這って昆虫を見つめる姿、描く姿は忘れられない。毛一本までリアルな細密画。これはスケッチ画の遺作。この本を読んで思ったのは、先生の絵を継ぐ方が現れる事を強く願うより他ないのかと。2011/10/24
メルセ・ひすい
5
15 自然は 美しいから 美しいのではなく 愛するからこそ 美しいのです 鉛筆だけで描かれた虫や草花たちは、生き生きとした迫力に満ちていた-。細密画家・熊田千佳慕が遺した幻の絵本試作に、絵本「みつばちアリス」の文章と、ローザ・ルクセンブルグの言葉を添えて書籍化。2011/05/31
学び舎くるみ
4
鉛筆で虫たちが生き生きと描かれている。『みつばちアリス』から抜粋されたという文章を読みながらページに見入っていると、春から夏へと力強く繰り広げられる自然の息吹を感じます。うちの庭の常連さんもずいぶん登場していて親しみがわきました。理科系美術絵本というだけあって、デッサンのお手本にするのもありだと思います。夏休みの自由研究の参考にもなるかもしれません。2011/08/14
takao
2
ふむ2022/12/19