内容説明
フランス19世紀を代表する挿絵画家J.‐J.グランヴィルの全容を紹介する日本初の作品集。「グランヴィル狂」を自認するフランス文学者鹿島茂のコレクションを書き下ろし文章とともに紹介する第一弾。
目次
1 1825~1835年ナンシーからパリへ―カリカチュアの王(歳相応の楽しみ;サロンの巫女;現代版変身譚 ほか)
2 1836~1847年挿絵の世界へ―幻想世界の確立(ベランジェ全集/アルバム・ベランジェ‐グランヴィル;ガリヴァー旅行記;ラ・フォンテーヌの寓話 ほか)
3 グランヴィル死後(フルール・アニメ(生命を与えられた花々)
才知あふれる郷士ドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャ
レ・ゼトワール(星々) ほか)
著者等紹介
鹿島茂[カシマシゲル]
1949年、神奈川県横浜市生まれ。東京大学文学部仏文科卒業。同大学院人文科学研究科博士課程修了。1991年『馬車が買いたい!』で91年度サントリー学芸賞、1996年『子供より古書が大事と思いたい』で第12回講談社エッセイ賞、1999年『愛書狂』で第2回ゲスナー賞、2000年『職業別パリ風俗』で第51回読売文学賞を受賞、他著作多数。共立女子大学教授を経て、2008年4月より明治大学国際日本学部教授。専門は19世紀フランス文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
288
グランヴィルなる画家(版画家)、私は本書で見るまで知らなかった。著者の鹿島御大によると、「一般の美術史からは無視されつづけてきた存在」なのだそうである。そんなグランヴィルに惚れ込んだ鹿島先生の評伝と編集・解説からなる本書はまさに現在のグランヴィル集大成といった趣き。鹿島先生の偏執的なまでの蒐書力のなせる業。さて、肝心のグランヴィルの版画だが、全編にアイロニカルな毒がまぶされているといった絵が並ぶ。そして、その蠱惑的な美しさの背後には異端の香りが立ち込めている。それは世相の風刺といったレベルではなく、⇒2023/10/21
藤月はな(灯れ松明の火)
41
諷刺画なのに人の醜悪さを描き出すブラック・ユーモアのあるグランヴィル。人嫌いのグランヴィルが同じく、英国生まれでありながら一生をアイルランド聖職者になるしかなかった厭世家のスィフトが著した『ガリヴァー旅行記』と合うのに対し、ブルジョア根性のデフォーの『ロビンソン・クルーソー』には合わなかったという見解は中々、興味深いです。個人的に凄いと思ったのは『フルール・アニメ』と芋蔓式にメタモルフォーゼする無機物の絵だったりします^^2014/03/29
芍薬
18
どれもこれも辛口ユーモアたっぷりで、ドキッとニヤッとさせられます。それにしても人間の顔の醜い事!こんな風に見えちゃうなんて底意地悪いなぁ。2014/03/04
miaou_u
12
好きなイラストレーターさんの中には『人間の内から「動物」を引き出す』グランヴィルの影響を感じる作風のかたが何人かいらっしゃる。通好みの雑貨店に、グランヴィルの古書やポストカードが並び始めたのはつい最近のこと。この作品展が開かれたのは2011年だから、鹿島茂さんの先見の明は確かな広がりを見せている。グランヴィルの作品に毒気を感じるのは極度の人間嫌いから、、人間嫌いになる人ほど、見えすぎてしまう孤独に囚われるものだと思う。家族はそんな彼の支えだったのだろう。鹿島さん曰く、グランヴィルを見てから死ね、と。2021/05/30
ペイトン
12
グランヴィルの類いまれなる才能と鹿島氏のコレクションに圧倒されました。グランヴィルという名は祖父の芸名からとったのだそうです。「不思議の国のアリス」のトランプの兵隊を彷彿とさせる絵がありました。原書をじっくり眺めてみたい。2015/05/16
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