内容説明
NHK教育番組「ピタゴラスイッチ」やアート作品「計算の庭」に代表されるように、複雑な概念も新しい表現方法によって本質をシンプルに浮かび上がらせ、親しみやすい形に昇華させてきた佐藤雅彦が、「自分」を形づくる要素を探る、インタラクティブな映像や最先端のテクノロジーを駆使した国内外の作品を紹介しながら、自分自身の認めざるをえない「属性」を一冊の本で表現しました。
目次
第1章 属性が生む新しい表象
第2章 あなたの内なる属性
第3章 あなたよりあなたを知る社会
第4章 主と生き別れた属性
対談 佐藤雅彦×入來篤史「属性に潜む人間性の本質」
第5章 属性の裏切り
第6章 属性はあなたを支配する
対談 佐藤雅彦×太田光「属性と自分との距離」
著者等紹介
佐藤雅彦[サトウマサヒコ]
表現研究者。1954年静岡県生まれ。東京大学教育学部卒業。株式会社電通を経て、1999年、慶應義塾大学環境情報学部教授に招聘される。2006年より、東京藝術大学大学院映像研究科教授。朝日広告賞最高賞、ADC賞グランプリ、ACC賞グランプリ、1991年クリエイター・オブ・ザ・イヤー、毎日デザイン賞、スロバキア・ドナウ賞、NHK日本賞総務大臣賞、ニューヨークADC賞金賞ほか受賞多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
eulogist2001
5
★4.0 自分とは何か?自分の属性とは何か?ひと以外の動物は自分を意識してする事はない。腕の延長が道具。感覚器官の外材化、道具を使う事で自分の継続性を自覚。それは持続性の終わりである死を意識する始まり。2021/04/03
osamukikuchi
1
読了2013/11/13
里馬
1
いいいきたかった…。本でもじうぶん楽しいけどさ、こういうのは実物じゃなきゃ意味がないよね…。2012/02/16
みどりや
0
刺激的。はっとさせられることが多かった。展示会に行きたかった。気が付けなかったことのが残念だな。2012/04/29
げん
0
昨年東京で開催された、これも自分と認めざるをえない展、のガイドブック的な本。展覧会を見逃してしまったのは残念だが、多くの写真と解説文で、実物を見たような感覚になった。結びにある、「属性」をめぐる考察を通じて、「何者かになること」から自由になり、無頓着で生き生きとした本来の自分に気づいてもらえたら、という意図に、圧倒されてしまった。背表紙の穴から周りのものを覗いてみると、「属性」という観点が自分の仕事の大きなヒントになるような気がした。2011/12/25