無欲越え―熊谷守一評伝

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  • サイズ B6判/ページ数 327p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784763009388
  • NDC分類 723.1
  • Cコード C0071

内容説明

津波のように日本の近代化を翻弄した西洋化と国粋主義。明治・大正・昭和、全日本人がのたうちまわったその時代、厭世主義でも、隠遁でもなく、究極の「あるがまま」に自分を生き抜いた熊谷守一。美術の枠を超え、当時の日本の有り様、夏目漱石、志賀直哉、高村光太郎、藤田嗣治など多数の同時代人との対比とともに、「無欲」を越えた領域に生きた画家の謎に迫る異色の評伝。

目次

滑稽と悲惨のなかで
国家主義台頭と小学生の守一
漱石と守一
上京、美校に入学
東北スケッチ徒歩旅行と父の死
卒業、カラフト行
終生の友
日傭・上京・音楽仲間
結婚
絵を描かない守一
創造と生活の問題、原三兄弟の場合
終の棲家
展覧会
輪郭線の登場
戦時中の守一
戦後・長女の死
その死

著者等紹介

大川公一[オオカワキミカズ]
昭和22年(1947)、静岡県に生まれる。東京大学文学部国文科卒業後、私立成城学園高校で教鞭をとり、部長、校長を歴任。高等学校用国語教科書の編集委員を長きにわたりつとめる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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白猫の単語

3
著者の思いが伝わる熱い評伝だった。変わり者だけど寂しがり屋で、周りの人が放っておけない魅力と才能のあった熊谷。絵は画家のカス、と言い描き捨てていく潔さ、自分の中に絶対的な基準があって決してぶれない生き方が格好いい。愛馬を自分の留守中に売られたことを知って、「子供のように泣いてしまった」純粋さもいい。妻子も養えないのに鳥獣を飼育する呑気さも、彼の場合ご愛嬌。住みづらい世の中と言いながらも、人生を繰り返すことができるとしたらと問われると、俺は何度でも生きるよとケロリと言ってのける。風貌どおりただ者ではない。2016/04/27

コーデ21

2
半分だけ読了(++)図書館の返却日が来たのでやむなくストップ★まだ美大生だった頃まででだから、また借りて来る予定。「人は人、オレはオレ」と強い瞳を持った守一少年と、晩年の仙人然とした柔らかな瞳の彼を繋ぐ時間をもっと掘り下げなくちゃo(^-^)o2013/08/23

みのにゃー

1
今やっている展示のために読む。他人に影響されることがほとんど無かった人。孤高に見えてその実来るもの拒まず友人を大切にした人。別々の人が印象を「キリストのような」と感想を述べているのも面白い(若い頃はすごいイケメン)。適当に描いたように見えて無駄のない線の絵と重なる。2014/10/02

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