内容説明
色彩の森で、静謐な時間を画家とともに過ごす。そこは青の、橙の、そして白の風景。東山魁夷画文集色の風景三部作の一。
目次
月宵
郷愁
道
冬影
青き淵
青宵
青響
緑樹の岡
萬緑新
ウプサラ風景〔ほか〕
著者等紹介
東山魁夷[ヒガシヤマカイイ]
1908年7月8日、横浜に生まれる。本名、東山新吉。1926年東京美術学校(現・東京藝術大学)日本画科に入学。1929年最初の展覧会出品作「山国の秋」が第十回帝展に入選。1933年ドイツに留学(~1935年)。1947年第三回日展出品作「残照」が特選を受賞。1956年前年の第十一回日展出品作「光昏」により日本芸術院賞を受賞。1965年日本芸術院会員に任命される。1969年文化勲章を受章し、あわせて文化功労者に選ばれる。1974年日展理事長に就任(~1975年)。1984年西ドイツ、プール・ル・メリット学術・芸術院の外国人会員に選任される。1999年5月6日死去。享年九十。従三位、勲一等瑞宝章を贈られる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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野のこ
38
東山魁夷の青。その空気中から細やかな水分を含むしっとりとしま景色、透き通る澄んだ景色を堪能。植物の青々とした匂い。リズミカルな旋律。山鳥のうたごえ山々のさ゛わめき。*・゜゚・*:.。..。.:*・最後の夕星 私も夢の中で会いたいです。2017/12/23
れみ
37
“魁夷ブルー”という言葉もあるくらい青や緑が印象的な作品が多い魁夷さんの世界が楽しめる作品集。表紙になっている「夕星」はやっぱりとても心惹かれる作品です。作品に添えられた文章も素敵。2014/01/28
魚京童!
31
同じものを見ても、同じものにはならない。魁夷の世界がここにある。何が違うんだろうね。同じところに立って、同じところを見て、同じものを書く。でも書かれたものは魁夷の世界だ。私の世界にはならない。私ではない何か。魁夷の世界。この世界に入り浸りたいが、世界が拡張されたらどう思うのだろうか。受け入れられるのだろうか。AIに魁夷は近づけるのだろうか。漸近するのだろうか。完全に理解されるのだろうか。そんな世界を見て、これは魁夷じゃないって言いたいよね。2024/07/23
3月うさぎᕱ⑅ᕱ゛
30
東山魁夷の青の世界の画文集。群青と緑青、その濃淡は静寂と郷愁を見事に表現しており、添えられる白や薄桃は希望や祈り、春の喜びを感じさせる。東山魁夷の青の世界には、静かな旋律が響き渡る。一つひとつの作品と共に載せられる文章はとても美しく、その情景をより一層引き立てるものでもあり、ただひとつの美しい詩でもある。長野の美術館に早く行きたい。2016/02/02
R子
16
展覧会の余韻に浸りながら再読。青を基調とする50作品を収録した画文集だ。東山魁夷と言えばやはり青色だなと改めて思う美しさだった。澄んだ空気と静けさに心が安らぐ。でも実際の絵はもっともっと自然の迫力があり瑞々しくて素敵なんだよな。きっとまた観に行こう。2018/11/05