内容説明
福原信三とは、あの資生堂の初代社長なのだが、同時にアマチュア写真家の第一人者でもあった人。フランス遊学の頃より始めた“趣味”の写真であったが、1922年に作品集「巴里とセイヌ」でデビューし、その翌年には「光と其諧調」で写真理論にも新しい潮流を作り出して、21世紀の今にもつながっている。写真にいのちをかけ、若い情熱をほとばしらせた人である。若さにはいつも結論はないが、替えがたい初めがある。初心がある。「花椿」元編集長が、その軌跡を追い、原点まで遡った。
目次
巴里とセイヌ
続・巴里とセイヌ
写真家・福原信三の初心
光と其諧調
寄稿 伯父、信三と路草、そして父と。(福原義春)
補遺・『写真芸術』と“女流”
跋・“カットバック”
福原信三年譜