内容説明
油絵がわからんから、生涯描くでしょう。本気で。だから絵を描くのに邪魔になるものは、できるだけ捨ててきた。自分がきれいだなと思ったものを、率直に表現したいというのが、著者の願いだ。
著者等紹介
松田正平[マツダショウヘイ]
1913年、島根県生まれ。4歳のときに山口県宇部の松田家に養子に出される。1937年、東京美術学校(現・東京芸術大学)西洋画科卒業。同年渡仏するが、第二次世界大戦の勃発で帰国。戦後の混乱期にふるさとの海と出会い生涯のテーマとなる“周防灘”シリーズを描きはじめる。現在、山口県宇部市在住
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感想・レビュー
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Kenji Iwata
5
何を描く。何故描く。こんな問いを画家はするものです。ただ、その先に例えばピカソに通ずる何でもありな感覚、最近気になっている画家、熊谷守一の無垢な奔放さ。松田正平の描くものには彼等先人たちに通ずる鑑賞者を突き放す勢いがあります。素っ裸にされ、ひとり絵の前に立たされているような孤独、歓喜に満ちて弾けそうな高揚。画家九十一歳の言葉として「絵がわからんから、生涯描くでしょう。本気で。だから絵を描くのにじゃまになるものは、できるだけ捨ててきた。自分がきれいだなと思ったものを、率直に表現したいというのが、私の願いだ」2014/01/27
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