出版社内容情報
第一作品集「森へ行く日」から現在までの全作品を網羅。若手新鋭写真家の起用による初の群像写真の試み。創作の軌跡を辿る、作家の言葉、アトリエ風景、デッサンも掲載。
内容説明
1992年から現在までの全作品56点を網羅。待望の最新作品集。
目次
1 山と冬とあいだ
2 水を映す鏡
3 動く森
著者等紹介
舟越桂[フナコシカツラ]
1951年岩手県盛岡市に生まれる。’75年東京造形大学彫刻科卒業。’77年東京芸術大学大学院美術研究科彫刻専攻修了。’85~86年東京芸術大学彫刻科で教える。’86~87年文化庁芸術家在外研修員として1年間ロンドンに滞在。’89年より東京造形大学彫刻科で教える(現在に至る)。’90~91年東京芸術大学彫刻科で教える。’91年タカシマヤ文化基金第1回新鋭作家奨励賞を受賞。’95年第26回中原悌二郎賞優秀賞を受賞。’97年第18回平櫛田中賞を受賞。東京に住む。個展、グループ展など多数開催
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感想・レビュー
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石油監査人
28
この本は、2001年に出版された舟越桂の作品集です。楠を素材にして、大理石の目を嵌め込み、全体に着色を施した舟越の彫刻作品は、見る者に柔らかな印象を与えます。彫刻の人物たちの表情は、怒りや悲しみといった直接的な激しい感情から遠く離れて、ただ静かに内面に抱いた思いを微かに浮かべ、次の瞬間に言葉として発しようと待っているようにさえ見えます。舟越は「私は、山として人間を作ろうと思った。」と語っています。自分の感性は、そんな詩的なイメージを、彫刻の表情から読み取ることが出来るのか、試されているような気がしました。2024/06/02
ybhkr
1
山として人を作ろうと思ったのだ。船越桂作品を表すのにこんなに適した言葉があるだろうか。さすが御本人。つい最近船越桂さんの公開制作を見てきた。ほんの20分だがすでに粘土は船越作品の塊になっていた。三沢厚彦さんとふたりで作っていたが、三沢厚彦さんの粘土は三沢作品の動物たちのぐりぐりした目が印象的だった。同じモデルでもまったく違った。船越作品は山なんだな、と腑に落ちた。デッサンや版画もべらぼうに上手い船越さんに彫刻を薦めてくださった方に感謝したくなるような。2017/10/24