感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さとうしん
8
今まで同じ汲古から出ていたものとは異なり、論集というよりは一般書に近い作り。藤田氏のこれまでの『史記』研究の総まとめ、総決算的な書。これまでと違って五帝本紀、夏本紀から分析の対象としており、それぞれの時代の『史記』の記述や関連の発見を細かくまとめてくれているので参照価値が高い。出来れば選書レーベルで、1/2か1/3程度の値段で出してくれれば言うことがなかったが……2023/06/07
BIN
6
史記の内容もダイジェストで記載されつつ、出土資料等での補正やその必要性が書かれています。史記の構造的なもので、国が滅ぶ際には事前に不徳な行為というフラグが記載している構成になっているなと気付かされました。史記は読み物としても面白いので創作性が疑われますが、出土資料等と比べてみると司馬遷による創作は少ないと見られています。難しい内容でもないので一般書として読める。参考文献の日本語の本は読んでいきたい。趙高は宦官ではなさそうというのは驚きだが、言われてみれば納得です。2024/04/28