目次
第1章 『古事記』と緯書(『古事記』成書の謎;反正記の小さな糸口 ほか)
第2章 『古事記』と朝鮮史料(反正記と尼師今伝説;朝鮮史料・渡来説話と緯書 ほか)
第3章 『古事記』と神仙思想(瑞井と変若水・醴泉と天つ水;上代文献に見る井戸 ほか)
第4章 『古事記』と『帝王世紀』(『古事記』は歴史書か;『古事記』の核心は何か ほか)
著者等紹介
王小林[オウショウリン]
1963年中国生まれ。1984年西安外国語学院日本語学科卒業。1994年京都府立大学修士。1999年京都大学博士(文学)。現在、香港城市大学アジア・国際研究学科准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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一言で言えば『古事記』(一部『日本書紀』も)の出典論。引用史料、参考文献の範囲がとにかく広い!著者は中国人(京大で博士)だが、学識の広さが伺える。内容については、反正記にみえる異常風貌説を手がかりに、記紀に取り入れられた神秘思想について解明していく。本書の眼目は『古事記』が『帝王世紀』なる晋代の歴史書(佚書)をモデルに著されたとの提言。神話と歴史事実の有機的結合が人物の正統性を証明する点において、また文体及び系譜等の記載内容において、両書に共通点が認められるという。この点、学会の受け止めが気になる。2024/10/01