目次
序篇 「六朝貴族制」論と南朝政治社会史研究（六朝隋唐の「貴族政治」；日本の六朝貴族制研究）
第１篇 宋斉政治史研究（劉裕の革命と南朝貴族制；南朝・宋初の「同伍犯法」の論議；元嘉時代後半の文帝親政；『宋書』と劉宋政治史；唐〓（う）之の乱と士大夫）
第２篇 南朝貴族社会の研究（南朝貴族の家格；南朝官人の起家年齢；門地二品について；東晋琅邪王氏墓誌について；柳芳「氏族論」と「六朝貴族制」学説）
著者等紹介
川合安［カワイヤスシ］
１９５８年宮城県生まれ。東北大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。博士（文学）。弘前大学人文学部助教授、北海道大学大学院文学研究科助教授を経て、現在、東北大学大学院文学研究科教授（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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飛燕
1
「要するに、南朝前期政治史においては、強力な皇帝権力も、高官を独占する門閥貴族も存在しない。また、門閥貴族対寒門・寒人のような明確な階級的対抗も存在しない。皇帝権力と、旧門閥貴族、寒門・寒人など各階層出身者からなる官僚層とは大局的には一体であるが、皇位継承をめぐる内訌の際には、分裂して党争をくりかえす。この場合の党派は、門閥貴族対寒門のような階級的対抗軸によって形成されるわけではなく、婚姻関係や故主―故吏関係が契機となって形勢される」（353頁）2018/11/15
