内容説明
本書は、士大夫政治が本格的に開始された宋代を選び、とくに真宗時代にしぼって考察を展開していくことで、宋代という史上の一点から中国史全般をうかがう、つまり宋代という一斑をみて全豹を卜する効果を目指して、中国史上における皇帝権力と官僚政治の実相の片鱗を示してみることにした。
目次
総説(思想史の視点からの考察;政治史の視点からの考察)
「聖相」李〓―君臣関係のケース・スタディー(一)
「平世の良相」王旦―君臣関係のケース・スタディー(二)
「使気の寇準」―君臣関係のケース・スタディー(三)
「〓相」王欽若―君臣関係のケース・スタディー(四)
「権臣」丁謂―君臣関係のケース・スタディー(五)
皇帝の代弁者か―真宗朝の翰林学士を中心に
宋代士大夫の精神世界の一側面―范仲淹を中心に
終章
著者等紹介
王瑞来[オウズイライ]
1956年中国黒龍江省生まれ。北京大学中国言語文学部古典文献学科卒業。中華書局編集員を経て、現在は学習院大学東洋文化研究所研究員・助手。また、北京大学中国古文献研究センター客員教授、青山学院大学・千葉大学非常勤講師。主な研究分野は、中国政治史、文献学など。『宋宰輔編年録校補』(中華書局)、「論宋代皇権」「論宋代相権」(共に『歴史研究』掲載)など論著多数
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