出版社内容情報
「バナナ」を頭の中で描こうとしても暗闇が広がる――〈感覚イメージ〉が浮かばない特質,アファンタジアとは。当事者の語りを通して,アファンタジアの気づき,仲間の存在,補償の戦略,選択の分岐点など,彼らの日常生活がどのようなものであるのか,そして個人の主観的体験であるイメージ世界がいかに多様であるかに迫る。
【目次】
はじめに
1.アファンタジア研究の経緯と現状
アファンタジア研究のはじまり
アファンタジア研究のこれまで
アファンタジア研究のこれから
2.アファンタジアの人たちのエピソード
アファンタジアの気づき
アファンタジア仲間の存在
アファンタジアに気づいてから―自己の回想
アファンタジアに気づいてから―将来の展望
補償の戦略
選択の分岐点
周囲の理解
まとめ
3.アファンタジアとファンタジアの対話
アファンタジアを知ってどう思った?
「イメージが見える」とはどんな感じ?
アファンタジアとファンタジアとでは、記憶の仕方が違う?
「イメージを使わないとむずかしそう」と思うことは?
妄想はするの?
アファンタジアの人たちは「今を生きる」存在?
イメージしなくても、読書は夢中になれる?
対談を終えて
4.アファンタジアの人たちのライフストーリー
Kさん―アファンタジアな私の発見
Iさん―想像力は、ちゃんとあります
Jさん―視覚的な想像がない場合の暮らしぶり
Bさん―もしかして世界で初アファンタジア(イメージ障害)に気がついた?
四名のライフストーリーを振り返って
おわりに
■コラム
コラム1 「イメージする」、「聴く」の多様な形
コラム2 言語学者+認知科学者からみたアファンタジア
コラム3 ルックバック―イメージ研究者がイメージしたイメージをイメージする
コラム4 アファンタジアは障害なのか?
コラム5 画像生成AIとアファンタジア
コラム6 アファンタジアの人がイメージをしているときの脳のはたらき
コラム7 イメージ能力の個人差から個別最適な