出版社内容情報
身体拘束などサービス利用者を無力化する精神医療に依存しないオープンダイアローグを精神保健サービスに組み込むことは,万国共通の悩みである。セイックラの論考などからサイコーシスにオープンダイアローグを導入する意義を確認するとともに,実践を展開する各国のさまざまな工夫や取り組みをユーザーの声を交えて紹介。
内容説明
医学モデルの精神医療に依存しないオープンダイアローグの実践をサイコーシスの当事者のために組織化するうえで、欧米諸国はどのような困難に直面しているか。オープンダイアローグは、家族療法、精神分析、認知行動療法、パーソンセンタード・アプローチなど、心のケアのさまざまな技法や理論とどのように関わり合っているのか。オープンダイアローグの「理論」「歴史」「トレーニング」「経験」「研究」について、ヤーッコ・セイックラなどの開発者、実践家、サービスユーザー、家族などの「声」を集める―。
目次
1 オープンダイアローグを導入する
2 個人、家族、専門家によるオープンダイアローグの経験
3 オープンダイアローグのトレーニング―トレーナー、実践家による振り返りとさまざまな実施環境
4 さまざまな国の異なった文脈においてオープンダイアローグを導入する
5 対話を他のアプローチとともに開いていくこと
6 オープンダイアローグの研究
著者等紹介
パットマン,ニック[パットマン,ニック] [Putman,Nick]
英国/ロンドン。オープンダイアローグUKの設立者。心理療法士、オープンダイアローグ実践家、スーパーバイザー、トレーナー。NHSで心理士として働いた後、ロンドンのフィラデルフィア協会(FA)でトレーニングを受けながら、FAとアーバース(Arbours)によって運営されていた治療共同体の中に住み込みで働く。今は個人の実践家として働いている。メンタルヘルスサービスの変革を期待する思いから、サービス従事者のためのトレーニングや家族/ネットワークのためのサービスを提供することを目的として、オープンダイアローグUKを2013年に設立した
マーティンデール,ブライアン[マーティンデール,ブライアン] [Martindale,Brian]
英国/ニューカッスル・アポン・タイン。精神科医。ISPS(サイコーシスに対する心理・社会的アプローチ国際協会)元会長、ISPSシリーズの初代編集長。ヨーロッパ精神分析的心理療法連盟(EEPP)の共同設立者であり、世界精神医学会のヨーロッパ地区代表を務めた。サイコーシスにおける早期介入の豊富な臨床経験をもち、数多くの出版や講演を行ってきた
石原孝二[イシハラコウジ]
東京大学大学院総合文化研究科教授
斎藤環[サイトウタマキ]
筑波大学医学医療系教授
高木俊介[タカギシュンスケ]
たかぎクリニック院長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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