出版社内容情報
『ごく初歩本』(愛称)シリーズの内容が「ちょっと進んだ」II巻。
「実験的研究における剰余変数の統制」を軸に,1要因の分散分析,2要因の分散分析,共分散分析,プリポスト・デザインによるデータ分析について説明。これらの各分析法について,それぞれの論理に関する具体的で丁寧な説明をしている。また,実践的な介入研究の留意点などについても著者ならではの主張も含めて記している。
◆本書の主なもくじ
1章 実験的研究における剰余変数の統制と1要因の分散分析
2章 ともに対応がない2要因の分散分析
3章 共分散分析
4章 プリポスト・デザインによるデータの分析
■■■『ごく初歩本』の愛称で親しまれたロングセラーとは■■■
『本当にわかりやすいすごく大切なことが書いてあるごく初歩の統計の本』
一般的な統計ユーザーのための「統計法」のテキスト。分析法の基礎的事項や,それらの分析法がもともともっている問題点(いわば,統計の限界),および分析された結果を解釈する際の留意点を重視して解説した。ひとりで読んで十分に理解できる本。
○主なもくじ
序章 統計について学ぶにあたって
1章 1つひとつの変数についての分析1:図表を用いた度数分布のまとめ
2章 1つひとつの変数についての分析2:度数分布の特徴の数値要約
3章 2つの変数の関係についての分析1:量的変数どうしの場合
4章 2つの変数の関係についての分析2:質的変数どうしの場合
5章 変数の変換
6章 統計的検定の基礎
7章 適切な検定の選択
8章 統計的検定の実際
9章 統計的検定の問題点・適用上の留意点
終章 統計に関する知識と日常の思考との関わり
■■■その『ごく初歩本』の姉妹書 全5巻■■■
□『ごく初歩本』で記述しきれなかった事項を加筆する『補足本』□
○『本当にわかりやすい すごく大切なことが書いてある ごく初歩の統計の本 補足I』
『ごく初歩本』の記述統計の内容を丁寧に補足。さらに,多くの分析法の基礎となる「標準偏差と相関係数のベクトルによる表現と変数の合成」について詳しく説明する。
○『本当にわかりやすい すごく大切なことが書いてある ごく初歩の統計の本 補足II』
「標本分布と信頼区間」と「効果量とその信頼区間の活用」について章を設け説明。また,統計的検定に過度に依拠してしまわないよう,活用のあり方,基本姿勢までを記す。
□『ごく初歩本』・『補足本』の内容を発展させ,心理統計の分析法を詳述する『ちょっと本』□
○『本当にわかりやすい すごく大切なことが書いてある ちょっと進んだ 心に関わる 統計的研究法の本 I』
多くの分析法の基礎知識である「単回帰分析」を丁寧に説明。また,一般的な心理学的研究で欠かせない,測定の妥当性について詳…
1章 実験的研究における剰余変数の統制と1要因の分散分析
○剰余変数の統制方法と「統制する」ということの意味
○対応がない1要因の分散分析
○対応がある1要因の分散分析
○恒常化,無作為化,ブロック化の長所・短所の比較
1章 練習問題
2章 ともに対応がない2要因の分散分析
○分散分析の論理に沿った変動(SS)の算出手続き
○F値の規定因
○変動の分解
○対応がある要因が含まれている場合の分散分析
○少なくとも一方の要因の条件数が3以上である場合の交互作用効果による変動の算出方法
○セルによってデータ数が異なる場合
○2要因の分散分析が適用されるケースにおける相関比
○「剰余変数によって説明できる変動を誤差変動から取り除く」ということの必要性についての例示
○独立変数が2つ以上ある場合にそれらの効果について1要因ずつ別々に検討してはいけない理由
2章 練習問題
3章 共分散分析
○共分散分析の適用が有効になるデータの例
○共分散分析のモデル
○F=∞になるデータ
○表3?1のケースについての再説明
○表3?4と表3?7のケースについての再説明
○共分散分析の適用が有効ではないケース
○共変量の測定時点について
○「共分散分析の適用」と「ブロック化・対応がある場合の統計的検定の適用」の比較
3章 練習問題
4章 プリポスト・デザインによるデータの分析
○統制群は,なぜ必要か:プリーポスト間の変化に影響を及ぼす種々の攪乱要因
○プリテストを行なう方がよいのはなぜか
○統制群に対する働きかけの内容
○プリポスト・デザインによるデータの不適切な分析方法
○プリポスト・デザインによるデータの適切な分析方法
○表4-4の?の分析方法と?の分析方法の異同
○介入研究を行なう際の留意点・実際に行なわれている研究の問題点
4章 練習問題
練習問題の解答と解説
引用文献
索 引
[ちょっと余分な話1]対応がある1要因の分散分析における誤差について
[ちょっと余分な話2]クロス構造とネスト構造,および,「対応がある1要因の分散分析における変動の分解」と「ともに対応がない2要因の分散分析における条件間変動の分解」の関係
[ちょっと余分な話3][2-11]式による交互作用効果による変動の算出手続きに関わる,やや異なる角度からの説明
[ちょっと余分な話4]表2-9のようなデータについての分散分析
[ちょっと余分な話5]剰余変数を積極的に統制するための共分散分析の適用例
[ちょっと余分な話6]共分散分析における「独立変数の効果に関する変動およびF値」と「調整平均ないし切片の差」の齟齬
[ちょっと余分な話7]統計についての学習法
[ちょっと余分な話8]実験者期待効果とホーソン効果
[ちょっと余分な話9]適切な知識の獲得とそれを使った練習が大切 & 日常生活においても
[ちょっと余分な話10]新薬の開発に関わっている人の「薬は人体にとって異物であり,副作用があるのは当然」という発言
[ちょっと余分な話11]独立変数の単一性の維持 vs. 実質的な効果の追求
[ちょっと余分な話12]質の高い実践とは & このようなことについてどう考えるか
吉田 寿夫[ヨシダ トシオ]
著・文・その他
目次
1章 実験的研究における剰余変数の統制と1要因の分散分析(剰余変数の統制方法と「統制する」ということの意味;対応がない1要因の分散分析 ほか)
2章 ともに対応がない2要因の分散分析(分散分析の論理に沿った変動(SS)の算出手続き
F値の規定因 ほか)
3章 共分散分析(共分散分析の適用が有効になるデータの例;共分散分析のモデル ほか)
4章 プリポスト・デザインによるデータの分析(統制群は、なぜ必要か:プリ‐ポスト間の変化に影響を及ぼす種々の攪乱要因;プリテストを行なう法がよいのはなぜか ほか)
著者等紹介
吉田寿夫[ヨシダトシオ]
所属、関西学院大学社会学部。専門、教育心理学、社会心理学、心理学研究法(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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