出版社内容情報
精神分析と行動主義が心理学で隆盛を極めた1950年代,G.A.ケリー(1905-1967)は,認知と感情,そして行動を分割せずに「統合的」にとらえる枠組みを提唱した。認知に焦点を当てた各種の心理療法のほか,パーソナリティ心理学,ナラティヴ心理学などに強い影響を与えた,彼のパーソナル・コンストラクト理論とは何か,その誕生と展開を丹念にたどり,現代的な意義を浮き彫りにする。
* ジョージ・A・ケリーの主著“The Psychology of PERSONAL CONSTRUCTS VOLUME ONE: A Theory of Personality” は,小社から『パーソナル・コンストラクトの心理学【第1巻】: 理論とパーソナリティ』として発刊しております。
http://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784762829130
◆主な目次
監訳者まえがき
序文
●第1部 ジョージ・ケリーの人生
第1章 ケリーの遍歴
第2章 ケリーの複雑さ
●第2部 理論への貢献
第3章 心理学の理論
第4章 心理療法の理論
●第3部 方法への貢献
第5章 心理測定法
第6章 心理療法の技法
●第4部 ジョージ・ケリーの評価と影響力
第7章 批判と反論
第8章 ケリーが与えた影響
監訳者あとがき
監訳者まえがき
序文
謝辞
●第1部 ジョージ・ケリーの人生
第1章 ケリーの遍歴
第1節 多次元的な人物
第2節 証拠や証言とその解釈
第3節 幼少期の生活と教育
第4節 大学時代
第5節 大学院時代
第6節 教員時代
第7節 人と業績
第2章 ケリーの複雑さ
第1節 ケリーと社会的相互作用
第2節 ケリー自身の理論から見たケリー
●第2部 理論への貢献
第3章 心理学の理論
第1節 パーソナル・コンストラクト心理学の哲学
第2節 全体としての人間
第3節 明確な人間モデル
第4節 能動的存在としての人間
第5節 動機づけという概念の放棄
第6節 弁証法の強調
第7節 予期的な行動
第8節 最小限の価値観
第9節 リフレクシヴな理論
まとめ
第4章 心理療法の理論
第1節 医学モデルに対するオルタナティヴ
第2節 「診断」の性質
第3節 臨床的コンストラクトの下位システム
第4節 心理療法のプロセスと変化の性質
第5節 セラピストに求められるスキル
第6節 クライエントとの関係性
第7節 心理療法の目標
第8節 個人史の位置づけ
第9節 文化的視点から見た価値
第10節 抵抗の性質
第11節 カウンセリングと心理療法との区別
まとめ
●第3部 方法への貢献
第5章 心理測定法
第1節 仕事のツールを作る自由
第2節 心理測定学の束縛の打破
第3節 個人にとっての意味の測定:レパートリー・グリッド
第4節 数字を用いないアセスメント
第6章 心理療法の技法
第1節 治療プロセスを補助する方法
第2節 再構築のプロセスを補助する方法
第3節 特定の行動へのアプローチ
まとめ
●第4部 ジョージ・ケリーの評価と影響力
第7章 批判と反論
第1節 論争点
第2節 パーソナル・コンストラクト理論の有用性
第3節 情動と感情へのアプローチ
第4節 パーソナル・コンストラクト理論は認知理論か?
第5節 社会の役割
第6節 子どもの発達
第7節 パーソナル・コンストラクト理論と構成主義
まとめ
第8章 ケリーが与えた影響
第1節 個人としての影響
第2節 科学界におけるケリーの理論と哲学
第3節 心理療法のアプローチへの影響
第4節 心理療法の実践への影響
第5節 方法と実践の発展
第6節 特定の心理的問題への応用
まとめ
監訳者あとがき
付録1 ジョージ・A・ケリーの年表
付録2 レパートリー・グリッドの見本
文献
索引
フェイ・フランセラ[フランセラ フェイ]
フェイ・フランセラ(Fay Fransella)
1925年10月1日にイギリスに生まれる。
1971年には,“Inquiring Man: Theory of Personal Constructs”(Routledge)を出版。1977年には,パーソナル・コンストラクト心理学の国際会議をオックスフォードで開催し,それ以降,1 年おきに続けられている。
1980年には,University of London の医学部に上級講師として赴き,臨床心理学分野の名誉教授に選出される栄誉も受ける。1981年には,ジョージ・ケリーの理論と実践を普及させることを目的としたパーソナル・コンストラクト心理学センターを設立し,会長を務める。
2011年1月14日逝去。
菅村 玄二[スガムラ ゲンジ]
菅村 玄二(すがむら・げんじ)
関西大学文学部准教授。早稲田大学大学院で修士(人間科学)を取得後,渡米。ノーステキサス大学やセイブルック大学院で,構成主義の泰斗である故マイケル・J・マホーニー博士らに心理学における身体性の問題とその臨床応用を学ぶ。帰国後,早大大学院で博士(文学)を取得。関西大学文学部助教を経て2010年より現職。
邦語のおもな著作としては,『身体心理学』(川島書店,2002年),『身体性・コミュニケーション・こころ』(共立出版,2007年),『エマージェンス人間科学』(北大路書房,2007年),『ナラティヴと心理療法』(金剛出版,2008年),『ロジャーズ』(日本評論社,2015年),『マインドフルネス:基礎と実践』(日本評論社,2016年),『新版 身体心理学』(川島書店,2016年)などの分担執筆,共著の『カウンセリングのエチュード:反射・共感・構成主義』(遠見書房,2010年),『認知行動療法と構成主義心理療法』(金剛出版,2008年),『マインドフルネス瞑想ガイド』(北大路書房,2013年)などの翻訳がある。
目次
第1部 ジョージ・ケリーの人生(ケリーの遍歴;ケリーの複雑さ)
第2部 理論への貢献(心理学の理論;心理療法の理論)
第3部 方法への貢献(心理測定法;心理療法の技法)
第4部 ジョージ・ケリーの評価と影響力(批判と反論;ケリーが与えた影響)
著者等紹介
フランセラ,フェイ[フランセラ,フェイ] [Fransella,Fay]
1925年10月1日にイギリスに生まれる。戦後の混乱のなか、1947年に作業療法士として仕事をはじめる。その後、University College Londonで心理学を学び、Institute of Psychiatry Londonで臨床心理士としての訓練を受け、そのまま大学に残り、教鞭を執る。この時期にパーソナル・コンストラクト理論に出会い、博士号を取得している。1977年には、パーソナル・コンストラクト心理学の国際会議をオックスフォードで開催し、それ以降、1年おきに続けられている
菅村玄二[スガムラゲンジ]
関西大学文学部教授。早稲田大学大学院で修士(人間科学)を取得後、渡米。ノーステキサス大学やセイブルック大学院で、構成主義の泰斗である故マイケル・J・マホーニー博士らに心理学における身体性の問題とその臨床応用を学ぶ。帰国後、早大大学院で博士(文学)を取得。関西大学文学部助教を経て2010年より現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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- 和書
- 棟居刑事の証明 双葉文庫