出版社内容情報
「人はいかに学ぶのか」の科学的最新知見を包括的に提供。各章には章の解説と読みどころをイントロダクションとして追加。第2巻では,強力な学習成果を導き出す教室実践(課題解決型学習,身体化デザイン等),より効果的な学びの会話を促進するための学習環境設計(協調学習,モバイルラーニング等)の可能性について示す。
◆第2巻の主な目次
PART? 効果的な学びを促進する実践
第14章 課題解決型学習
第15章 問題基盤型学習
第16章 複雑系と学習科学
第17章 学習におけるタンジブルと身体性のインタフェース
第18章 身体化と身体化デザイン
第19章 ビデオゲームと学習
PART? 共に学ぶ
第20章 知識構築と知識創造:理論,教授法,そしてテクノロジ
第21章 協調学習の社会的次元と相互作用的次元
第22章 学ぶために議論する
第23章 ミュージアムにおけるインフォーマルな学習
第24章 コンピュータに支援された協調学習
第25章 モバイルラーニング
第26章 バーチャルワールドにおける学び
◆近刊 第1巻・第3巻の主な目次
【第1巻】基礎/方法論
監訳者はじめに
まえがき
第1章 イントロダクション:新しい学びの科学
Part I 基 礎
第2章 学習科学の基礎
第3章 足場かけ
第4章 メタ認知
第5章 概念変化研究の歴史:その議論の道筋と岐路
第6章 認知的徒弟制
第7章 活動の中の学び
Part II 方法論
第8章 デザイン研究:変化をもたらすための方法論のツールキット
第9章 マイクロジェネティック法
第10章 協調の分析
第11章 学習科学におけるデジタルビデオ研究の最先端:その領域を位置づける
第12章 教育評価のデザインと活用における学習科学的視点
第13章 教育データマイニングとラーニング・アナリティクス
【第3巻】領域専門知識を学ぶ/学習科学研究を教室に持ち込む
Part V 領域専門知識を学ぶ
第27章 数学教育における研究:人の学びについてそれは何を教えてくれるのか?
第28章 ともに進化する種としての科学教育と学習科学
第29章 歴史概念を学ぶ
第30章 リテラシーを学ぶ
第31章 芸術教育と学習科学
Part VI 学習科学研究を教室に持ち込む
第32章 学習科学と政策デザイン・実施:協調的な参画のための重要な概念と道具
第33章 学びのためのデザイン:興味,動機づけ,積極的関与
第34章 文化的プロセスとしての学び:多様性を通した平等の達成
第35章 教師の学びについての研究への学習科学的…
監訳者はじめに
まえがき
第1章 イントロダクション:新しい学びの科学
教育の目標
専門家の知識の性質
学習に含まれるプロセス
どのようにして学習は起こるのか?:初心者から熟達者のパフォーマンスへの移行
どのようにして学習は起こるのか?:既有知識の利用
よりよい学習を促進する:足場かけ
よりよい学習を促進する:外化と明示化
よりよい学習を促進する:振り返り
よりよい学習を促進する:具体的な知識から抽象的な知識を構築する
教育テクノロジ
デザイン科学
学習科学という領域のはじまり
結論
文献
PART? 効果的な学びを促進する実践
第14章 課題解決型学習
イントロダクション
1.本章の要約/2.訳者が面白いと思った箇所とその理由/3.背景/4.日本への示唆
課題解決型学習の研究的基盤
能動的な構成
状況的学習
社会的相互作用
認知ツール
プロジェクト・ベースの科学
課題解決型学習環境の特徴
特徴1:駆動質問
特徴2:学習目標に焦点を当てる
特徴3:科学的実践への参加
特徴4:協調
特徴5:テクノロジを使って学習を支援する
特徴6:アーティファクトの創造
結論
文献
第15章 問題基盤型学習
イントロダクション
1.本章の要約/2.訳者が面白いと思った箇所とその理由/3.背 景/4.日本への示唆/5.より深く学ぶために
PBLの歴史
PBLの理論
PBLの教授設計
PBLにおける問題の役割
足場かけ
自己主導型学習
協調
評価
PBLの効果
移行期のPBL,または変容するPBL
PBL:今後の実践
PBLとテクノロジ
PBL研究の今後の方向性
学習科学への示唆
文献
第16章 複雑系と学習科学
イントロダクション
1.本章の要約/2.訳者が面白いと思った箇所とその理由/3.背景/4.日本への示唆
教育における複雑系
複雑系と学習:文献レビュー
複雑系概念と認知的挑戦
複雑系の考えを学習する教授法の研究
複雑系とカリキュラム
複雑系の学習科学への示唆
結論
文献
第17章 学習におけるタンジブルと身体性のインタフェース
イントロダクション
1.本章の要約/2.訳者が面白いと思った箇所とその理由/3.背景/4.日本への示唆
学習のためのタンジブル・身体性のインタフェースにおける主要な技術的テーマ
ファブリケーションとものづくりのテクノロジ
組み込みコンピュータ
新しい物質
光学とトラッキング:カメラ,プロジェクタ,GPS
物理的な要素と計算機的な要素を組み合わせることによる学習
コンピュータを利用した工作(computational crafts)
公園,状況,身体性のインタラクション
身体の拡張
タンジブルと身体性のインタフェースが学習科学に何をもたらすか
身体化認知との関連
画面を越えたデザイン:学習のための子どもたちの場のデザイン
学習科学研究における“タンジブルスタイル”
学習のためのタンジブルと身体性のデザインにおける現下の問題点
タンジブルアプローチの認知的な制約
タンジブルコンピューティングとDIYコミュニティ
文献
第18章 身体化と身体化デザイン
イントロダクション
1.本章の要約/2.訳者が面白いと思った箇所とその理由/3.背景/4.日本への示唆
身体化の原則
韻律と理性:2つの認知システムの調整としての学習
シミュレートされた行為としての抽象概念:学習とは新しい方法で身体を動かすことである
道具立てとブレイクダウン:生物学的,物質的,認識的道具による増強としての学習
身体化デザイン:理論から実践へ
身体化デザインのための原則:身体的経験,意味への誘導
Mathematical Imagery Trainer:意味づけられた行為遂行スキーマとしての概念
MEteor:科学的原則に沿って身体行為にきっかけを与える
結論と今後の方向性
文献
第19章 ビデオゲームと学習
イントロダクション
1.本章の要約/2.訳者が面白いと思った箇所とその理由/3.背景/4.日本への示唆
ビデオゲームが果たす役割
コンテンツとしてのゲーム
誘い水としてのゲーム
評価としてのゲーム
活動に引き込む構造としてのゲーム
効果の証拠に関する討論
現在と将来の課題
文献
PART? 共に学ぶ
第20章 知識構築と知識創造:理論,教授法,そしてテクノロジ
イントロダクション
1.本章の要約/2.訳者が面白いと思った箇所とその理由/3.背景/4.日本への示唆/5.より深く学ぶために
共同体の知識発展
アイディアの向上
知識構築の談話
権威ある情報の建設的利用
協調的な説明構築を通じた理解
知識構築の教授法
知識構築のテクノロジ
アイディアを用いた持続する創発的活動を支援する
現在の方向性
結論
文献
第21章 協調学習の社会的次元と相互作用的次元
イントロダクション
1.本章の要約/2.訳者が面白いと思った箇所とその理由/3.背景/4.日本への示唆/5.より深く学ぶために
協調の状況的・社会的な側面の研究
チーム学習:ある1つのモデル
相互共有認知を通した概念理解を保証する協調学習
社会システムとしてのグループ:対人文脈に関する信念
モデルを評価する:設定と手続き
参加者
測定
協調学習の認知的側面
協調学習の社会的側面
モデルのテスト
いかに相互作用が協調学習に導くかの研究
建設的相互作用のフレームワーク
建設的相互作用を通した深い理解のためのメカニズム
機能?機構階層性における「わかる」と「わからない」
プロトコル分析の結果
インプリメンテーション
知識構成型ジグソー
協調を通した学習を支援する
文献
第22章 学ぶために議論する
イントロダクション
1.本章の要約/2.訳者が面白いと思った箇所とその理由/3.背景/4.日本への示唆
議論学
議論と学習
議論スキルの発達
推論スキルに貢献する学ぶための議論
小集団における議論するための学び
協調的議論を通した学習
文脈の中の学ぶための議論
要約:議論と学習
電子環境における協調的議論
対話ゲームとしての議論の足場かけ
コンピュータに媒介されたコミュニケーション・フォーラムを通した議論の足場かけ
議論マップを用いた議論の足場かけ
学習環境における科学的議論の足場かけ
結論
文献
第23章 ミュージアムにおけるインフォーマルな学習
イントロダクション
1.本章の要約/2.訳者が面白いと思った箇所とその理由/3.背景/4.日本への示唆
ミュージアムにおける家族の学習:親の役割
フォーマルとインフォーマルの境界を超えて:学校によるミュージアムへの校外学習
21世紀のミュージアムと学習科学の展望
文献
第24章 コンピュータに支援された協調学習
イントロダクション
1.本章の要約/2.訳者が面白いと思った箇所とその理由/3.背景/4.日本への示唆
教育の中のCSCL
コンピュータと教育
遠隔eラーニング
グループによる協同学習
CSCLの歴史的進化
始まり
会議から世界的コミュニティへ
人工知能から協調作業支援へ
個人から相互行為を行うグループへ
心的表象から相互行為的意味生成へ
量的比較から微視的事例研究へ
CSCLにおける学習とテクノロジの相互作用
学習の伝統的概念
学習者の意味生成を支援するためのテクノロジの設計
協調学習の分析
コンピュータ支援の分析
CSCLの複合領域性
将来のCSCL研究
文献
第25章 モバイルラーニング
イントロダクション
1.本章の要約/2.訳者が面白いと思った箇所とその理由/3.背景/4.日本への示唆
シームレス・ラーニング
モバイルラーニングの実際
モバイル機器が1人1台ある教室
教室外でのモバイルラーニング
モバイルラーニングの理論
文脈と学習
現実の拡張とユビキタスラーニング
秩序を乱す活動
今後の動向と課題
結論
文献
第26章 バーチャルワールドにおける学び
イントロダクション
1.本章の要約/2.訳者が面白いと思った箇所とその理由/3.背景/4.日本への示唆
バーチャルワールドにおける学びのデザイン
学校内
学校外
バーチャルワールドにおける学びの評価
学びの軌跡の表示
個別化ガイダンス利用の理解
オンラインおよびオフライン参加の追跡
将来の動向
規模を大きくするためのバーチャルワールドのデザイン
“専門家”の助言の統合
ハイブリッド学習環境のモデル構築
R.K.ソーヤー[ソーヤー アールケイ]
R.K.ソーヤー(R. Keith Sawyer)
University of North Carolina at Chapel Hill
大島 純[オオシマ ジュン]
大島 純(おおしま・じゅん)
1995 年 トロント大学大学院教育学研究科修了・Ph.D.
現 在 静岡大学大学院総合科学技術研究科教授
【主著・論文】
Computer Support for Collaborative Learning 2: Carrying forward the conversation.(分担執筆) Lawrence Erlbaum. 2002 年
Knowledge-building activity structures in Japanese elementary science pedagogy.(共著) The International Journal of Computer-Supported Collaborative Learning, 1(2), 229-246. 2006 年
Knowledge Building Discourse Explorer: A social network analysis application for knowledge building disc…
森 敏昭[モリ トシアキ]
森 敏昭(もり・としあき)
1976 年 広島大学大学院教育学研究科博士課程後期中途退学
現 在 岡山理科大学教育学部教授・広島大学名誉教授(文学博士)
【主 著】
『認知心理学者新しい学びを語る』(編著)北大路書房 2002 年
『授業を変える:認知心理学のさらなる挑戦』(監訳)北大路書房 2002 年
『教育心理学キーワード』(編著)有斐閣 2006 年
『学習科学ハンドブック』(監訳)培風館 2009 年
『よくわかる学校教育心理学』(編著)ミネルヴァ書房 2010 年
『学習心理学』(共著)培風館 2011 年
『0 歳? 12 歳児の発達と学び:保幼小の連携と接続に向けて』(編著)北大路書房 2013 年
『21 世紀の学びを創る:学習開発学の展開』(監修)北大路書房 2015 年
秋田 喜代美[アキタ キヨミ]
秋田 喜代美(あきた・きよみ)
1991 年 東京大学大学院教育学研究科博士課程単位取得退学
現 在 東京大学大学院教育学研究科教授(博士(教育学))
【主著・論文】
『読書の発達過程:読書に関わる認知的要因・社会的要因の検討』(単著)風間書房 1997 年
『授業を変える:認知心理学のさらなる挑戦』(監訳)北大路書房 2002 年
『読む心・書く心 文章の心理学入門』(単著)北大路書房 2002 年
『学びの心理学』(単著)左右社 2012 年
『学校教育と学習の心理学』(共著)岩波書店 2015 年
『岩波講座教育変革への展望1巻 教育の再定義』(共編著)岩波書店 2016 年
白水 始[シロウズ ハジメ]
白水 始(しろうず・はじめ)
2004 年 中京大学博士(認知科学)取得
現 在 東京大学大学発教育支援コンソーシアム推進機構教授
【主著・論文】
Cognitively active externalization for situated reflection.(共著) Cognitive Science, 26(4), 469-501. 2002 年
「協調学習と授業」『授業デザインの最前線?:理論と実践を創造する知のプロセス』(分担執筆)北大路書房 2010 年
「新たな学びと評価は日本で可能か」『21 世紀型スキル:学びと評価の新たなかたち』(分担執筆)北大路書房 2014 年
「学習科学の新展開:学びの科学を実践学へ」(共著) 認知科学, 21(2), 254-267. 2014 年
「おわりに―解題も兼ねて―」『協調学習とは:アクティブラーニング型授業で目指すもの』(分担執筆)北大路書房 2016 年
『資質・能力 理論編』(共著)東洋館出版社 2016 年
望月 俊男[モチヅキ トシオ]
望月 俊男(もちづき・としお)
専修大学ネットワーク情報学部准教授
益川 弘如[マスカワ ヒロユキ]
益川 弘如(ますかわ・ひろゆき)
静岡大学大学院教育学研究科准教授
目次
イントロダクション:新しい学びの科学
3 効果的な学びを促進する実践(課題解決型学習;問題基盤型学習;複雑系と学習科学;学習におけるタンジブルと身体性のインタフェース;身体化と身体化デザイン;ビデオゲームと学習)
4 共に学ぶ(知識構築と知識創造:理論、教授法、そしてテクノロジ;協調学習の社会的次元と相互作用的次元;学ぶために議論する;ミュージアムにおけるインフォーマルな学習;コンピュータに支援された協調学習;モバイルラーニング;バーチャルワールドにおける学び)
著者等紹介
大島純[オオシマジュン]
1995年トロント大学大学院教育学研究科修了・Ph.D.現在、静岡大学大学院総合科学技術研究科教授
森敏昭[モリトシアキ]
1976年広島大学大学院教育学研究科博士課程後期中途退学。現在、岡山理科大学教育学部教授・広島大学名誉教授(文学博士)
秋田喜代美[アキタキヨミ]
1991年東京大学大学院教育学研究科博士課程単位取得退学。現在、東京大学大学院教育学研究科教授(博士(教育学))
白水始[シロウズハジメ]
2004年中京大学博士(認知科学)取得。現在、東京大学大学発教育支援コンソーシアム推進機構教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。