出版社内容情報
デカルト以来300年以上の歴史を持つ難問の一つ「心身問題」。本書は“西洋哲学史上最大の難問”とも言われるこの問題を,デカルト,スピノザ,ライプニッツ等々から20世紀後半の認知科学の立役者チャーマーズまでを縦糸に,また登場人物の交流や当時の時代背景を横糸にして「心身問題」の歴史を描く“伝記風・歴史物語”。
プロローグ
1章 デカルトと王女エリザベト――心身二元論と心身問題の誕生
デカルトの誕生と幼年時代/ラ・フレーシュ学院時代/「私は何も知らない」/世間という大きな書物/数学と哲学への復帰/1619年11月10日・冬の日の夢/放浪の9年間/オランダ滞在/『世界論』の完成と挫折/ヘレナとフランシーヌ/『理性を正しく導き、学問において真理を探究するための方法序説』/方法的懐疑/コギト・エルゴ・スム/コギト・明晰判明・神の存在証明/〈私〉とは何か/『方法序説』に対する二つの反論/『第一哲学についての省察』/コギトの脱出ゲーム/精神と身体の実在的区別/エリザベトとの出会い/哲学愛ずる姫君/デカルト=エリザベト往復書簡/心身問題の誕生/デカルト流「哲学的生き方」/デカルトの晩年/エリザベトの晩年
2章 スピノザとライプニッツ――心身平行説の形而上学
対照的な二人の思想家/スピノザ一家/スピノザの少年時代/1656年の破門/破門の事由/もう、何もいりません/嵐のあとの人生/『エチカ』執筆の頃/『エチカ 幾何学的秩序に従って論証された』/天才少年ライプニッツ/ライプニッツの学生時代/外交官として/パリでの学究生活/ロンドン訪問/ボイネブルク家からの解雇/ハノーヴァーへの道程/心身平行説/スピノザの〈神〉/〈実体〉・〈属性〉・〈様態〉/スピノザの心身平行説/ライプニッツの〈モナド〉/ライプニッツの心身平行説/スピノザの晩年/ライプニッツの後半生/ライプニッツの晩年
3章 ラ・メトリと唯物論――心身問題を「自然化」する
18世紀フランスの思想的状況/誕生から医学への道まで/師ブールハーフェ/医療風刺作家ラ・メトリ/医師と外科医の対立/パンフレット戦争/従軍と熱病/オランダへの逃亡/『人間機械論』/「人間は自らゼンマイを巻く機械である」/心身問題を「自然化」する/ラ・メトリの晩年
4章 ハクスリーと進化論――随伴現象としての意識
18世紀フランスから19世紀イギリスへ/独学の人ハクスリー/医者をめざす/ラトルスネーク号の周航/婚約者ネッティ/オーストラリア近辺での航海/帰国の途/職探しに奔走/就職と結婚/ダーウィンとの出会い/伝説の討論/進化論の基本ロジック/進化論の思想的インパクト/随伴現象説/ハクスリーの晩年
5章 ワトソンと行動主義革命――心理学の誕生と行動主義心理学
心理学の誕生/手に負えない子ども/学生時代/結婚と研究生活/行動主義のマニフェスト/刺激と反応の方法論/新行動主義/ワトソン流〈行動主義〉の哲学的意義/リトル・アルバート実験/不倫の恋と大学追放/再就職と再婚/ビジネスでの成功/ワトソンの晩年
間奏曲 これまでのまとめ
6章 20世紀後半の心身思想――認知革命以後の心身問題
ウィーン学団と論理実証主義/オックスフォードの日常言語学派/『心の概念』とカテゴリー・ミステイク/哲学的行動主義/「認知革命」前夜/認知科学の誕生/だが、「認知科学」とは結局何なのか/行動主義の落日/心脳同一説/認知主義の申し子・機能主義/唯物論的形而上学/20世紀後半と機能主義/消去主義的唯物論/心の終わり/物語は再び動きだす/あなたであるとはどのようなことか
エピローグ
目次
1章 デカルトと王女エリザベト―心身二元論と心身問題の誕生
2章 スピノザとライプニッツ―心身平行説の形而上学
3章 ラ・メトリと唯物論―心身問題を「自然化」する
4章 ハクスリーと進化論―随伴現象としての意識
5章 ワトソンと行動主義革命―心理学の誕生と行動主義心理学
6章 二〇世紀後半の心身思想―認知革命以後の心身問題
著者等紹介
岡田岳人[オカダタケト]
1979年、札幌市生まれ。2002年、北海道大学文学部卒業。2005年、北海道大学大学院文学研究科博士後期課程退学。専門は言語哲学、心の哲学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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