内容説明
本書は、実際に研究を行なう際の実用書としてよりも、心理学、社会学、教育学といった社会科学と呼ばれる学問を学ぶ人たちや、統計を利用する必要性の高い職業に従事している人たちなどを対象とした、(統計学ではなく)統計法のテキストとして書いたものです。ただし、大学の講義などで補足説明をしてもらわなければ理解できないものではなく、1人で読んでも十分理解できる本になるように心がけました。
目次
統計について学ぶにあたって
1つひとつの変数についての分析
2つの変数の関係についての分析
変数の変換
統計的検定の基礎
適切な検定の選択
統計的検定の実際
統計的検定の問題点・適用上の留意点
統計に関する知識と日常の思考との関わり
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ポレ
12
社会科学専攻の学生向けに書かれた統計法のテキスト。平易に書かれているが、計算を要する練習問題が多数あり、専門的な教育を受けていない四十半ばのオッサンには、そこそこキツイ内容であった。ビッグデータを活用できる時代になり、統計とその応用であるAIの重要性はますます大きくなる。だからこそ統計のリテラシーが求められるのだ。本書の9章、10章で語られるのは統計の限界である。1回の実験や調査における仮説の支持は、あくまで仮説の例証にしか過ぎず、判断保留的態度のもとに研究を積み重ねることが重要だと、著者は説く。2018/10/13
なこ
5
1冊目に読んだ統計学の本。既存知識がないからか、文章がなかなか頭に入って来なかった…。他の本と比較していないからか、これは本当に分かりやすく書かれている本なのか…?と思いながら2周目読んで少し言ってることが分かるような分からないような…という感じでした。個人的には、もう少し全体の流れや具体例を分かりやすく、1文1文を短文明快に書いて欲しかったかなぁと。 ただ終章に書いてあった、情報に踊らされないこと、物事をクリティカルに見ることなどの著者の意見には、統計を学ぶ意味や著者の人柄の良さを感じました。2022/06/27
ばにき
5
「心理統計学の基礎」に比べれば、数理的な説明は少ないですが、具体例で理解できる良著です。内容は初歩ですが、意外とこのレベルからわかっていなかったりするので役に立ちます。2019/12/06
Fred
4
統計の入門書としてはロングセラー(ベストセラーか?)の定番(だと思う)。「本当にわかりやすい」かどうかは読者の前提知識に寄るので多少分散が大きいと思いますが、「すごく大切なことが書いてある」のは本当にその通りで、最後に書いてあるメッセージ「統計学の考え方の基本は私たちの思考の良識を少し洗練して定式化したものに過ぎない」というのが奥深いです。これ味わうと科学的な思考としてすごく大切なことだなと。「初歩の統計の本」というのもその通りで、統計の全てをカバーしてないですが、統計の山の入り口に立たせてくれる本でした2020/09/01
まりかー
4
(私のような)文系が統計を一から勉強するのにはおすすめできる一冊。基本用語からかなりわかりやすく説明されていた。2017/02/16