内容説明
本書では、学問と教育の中枢としての大学が負っている社会的責任を全うするべく、大学人が主体性というか、主権を回復するために、困難だが英知を集めて運動すれば、日本の科学の未来に大いに期待が持てることを、読者にアッピールしたい。
目次
第1章 現状報告(「国立大学の独立行政法人化」の問題にかんする、理系大学人や教育ジャーナリストなど知識人の発言;最近の理科離れの問題と、日本で定着している「理科教育」の歴史的省察 ほか)
第2章 国際的な市場経済化の流れに巻き込まれている大学の復権―高等教育をどのように再構築するか?(大学は高等教育機関、研究機関であると同時に、学術、文化遺産の保護、継承という役割を持っている;大学の本質、根源的価値にかかわる問題提起 ほか)
第3章 巨大科学の価値を問う―巨大科学と我々人間の“日常的世界”の関係(核融合研究のその後―長年、構築された「科学技術」の研究体制は壊せないか?;巨大科学―宇宙科学、素粒子、高エネルギー物理学をどう見るか? ほか)
第4章 欧米の大学人、研究者、知識人が、いま日本の大学人に訴えていること
第5章 著者の緊急発言「戦後教育を徹底検証せよ」
著者等紹介
竹田保正[タケダヤスマサ]
昭和10年1月京都市に生まれ、高校までの教育を京都市で受ける。昭和34年3月大阪市立大学理学部物理学科を卒業。昭和37年10月大阪市立大学大学院理学研究科博士課程(物理学専攻)を退く。昭和37年10月日本大学理工学部に助手として任用される。昭和51年3月プラズマ物理学の研究により、大阪市立大学理学博士の学位を授与される。昭和58年4月日本大学理工学部助教授。昭和63年4月同上教授。昭和45年4月~同48年3月名古屋大学プラズマ研究所共同研究員。昭和57年5月~7月日瑞基金によるスウェーデン派遣研究員として、ストックホルム、王立工科大学プラズマ物理学研究所にて研究を行なう。専攻は実験室におけるプラズマの非線形現象の研究、とくに地球磁気圏、スペースプラズマ、太陽コロナ、宇宙プラズマで問題になる非線形現象、たとえば異常電気抵抗とか、局所的コヒーレント構造の形成、これに伴う粒子加速、加熱を研究する
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