内容説明
生体はリズム機構を持つことにより環境の変化を予測し、よりよく適応することを可能にする一方、生体リズム機構の障害は環境への適応能を減弱させて種々の精神機能に影響を及ぼすことが、時間生物学の研究成果として明らかにされてきている。本書は生体リズム機構の物質レベルでの解明がどこまで進んでいるかを明らかにすることを主な目的の一つとして位置づけ、時間機能の分子生物学、生体リズムに作用する諸因子、視交叉上核における種々の神経伝達物質、睡眠誘発や覚醒調節に関連する内在性物質などについて、時計機構の老化の影響や睡眠‐覚醒障害の臨床も含めて寄稿いただいた。
目次
1章 生体リズムから見た感情障害とその関連疾患(感情障害における生体リズム研究の意義;感情障害における時間生物学的マーカー;躁うつ病の病相と生体リズム機構 ほか)
2章 生体リズム研究の基礎(時計機構の分子生物学;生体リズムに作用する因子―光、メラトニン、ビタミンB12、覚醒剤;時計機構の老化 ほか)
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