内容説明
本書では、冒頭に掲げた「メディアは人間の発達にどのような影響を及ぼすか」という問いに答えるために、近年になって急速に拡大している実証研究(とくに心理学と関連分野における)の動向とその成果について、網羅的かつ組織的に解説する。
目次
第1部 テレビの影響(メディアと乳幼児;テレビと認知能力 ほか)
第2部 テレビゲームの影響(テレビゲームと認知能力;テレビゲームと暴力 ほか)
第3部 インターネットの影響(インターネットと情報活用能力;メディアと国際理解 ほか)
第4部 ロボットの影響(ロボットの影響―対ロボット知覚と有効利用、そして悪影響論)
第5部 メディア人間発達学の構築に向けて(メディア研究を人間発達の視点から考える)
著者等紹介
坂元章[サカモトアキラ]
1986年、東京大学文学部卒業。1988年東京大学大学院社会学研究科修士課程修了。現在は、お茶の水女子大学大学院人間文化研究科助教授。博士(社会学)、専攻は、社会情報学、社会心理学、教育工学
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感想・レビュー
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まこっちゃんCNX
2
テレビ視聴、テレビゲーム・インターネットの使用が人間に与える心理的影響について、実証研究をもとに明らかにされた知見が紹介されている好書。私が特に興味を持ったところは、子供の発達に対してテレビ視聴が与える影響について論じられている箇所で、情報提供番組などの視聴は発達に影響を与えないが、娯楽番組やミステリーの視聴は、子供の発達に(創造力の低下など)悪影響を与えると紹介されている。低俗な娯楽番組が主で構成されている現況下、子供のテレビ視聴に対して私達大人はもっと慎重になるべきであろう。2013/07/16