感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Hiroyuki Asano
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学校で学んだこと(学力)が、生活に役立てられないですぐに剥落してしまう、というのは、子ども達を地域の実生活から切り離すことで集中的に「教育」を行おうとした近代学校の「宿命」ともいえる。さらに、学歴社会では、学力の使用価値はあまり問題されずにその交換価値が重要視され、学力内容の空洞化が進展することになる。こうした学力の剥落と空洞化現象を問題視し、「教育と生活の結合」によってこの宿命を乗り越え、人々の生活を支える主体性ある学力を形成しようとする試みが、近代の学校改革の基本的なモチーフの一つだといえる。2025/09/26