目次
巻頭座談会 90年代後半の学級崩壊と現代の学級崩壊―学級崩壊とどう組み合っていけばいいのか?
巻頭言1 学級崩壊の歴史~学級集団づくりの変遷を通して
巻頭言2 社会学から問う現代の学級崩壊―「荒れ」としての崩壊から、内面的な「分断」へ
1 現代の学級崩壊とは何か(各論者の分析・視点;崩壊を乗り越える私の処方箋)
2 現代の学級崩壊の記録(崩壊の瞬間;崩壊時の自分自身のメンタルヘルス ほか)
3 学級崩壊を考えるための本(『学校崩壊』『学校の失敗』『学級崩壊をどう防ぐか・どう建て直すか』『学級崩壊予防・回復マニュアル』;『子どもの笑顔を取り戻す!「むずかしい学級」リカバリーガイド』 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あべし
5
とてもおもしろい特集だった。 わたしには想像もできないような崩壊学級のストーリーもあり、視野が広がったような気がする。 全体を読んで感じたのが、崩壊してしまう多くの場合は、担任による子どもの理解不足。 一方的に叱ってしまい、「その子」よりもルールを重視してしまうことだ。今や世の中の成功している社会も「個別最適化」を促している。それなのに教室ばかりが「ルール重視」では息苦しいだろう。 一方で、「今一歩」の指導が書かれていなかった。教師として子どもを育てる立場である。理解するだけが仕事ではない。2020/07/30
U-Tchallenge
2
自身も経験があるから言えるが、学級崩壊は辛い。今でも学級崩壊に恐れているし、担任をしていると学級崩壊をしている夢を見るぐらいである。だからこそ、学級崩壊に近い状態を担当している教師を微力ながらも支えたい。そのためには学級崩壊について考えることを改めてしたい、と思い再読した。もちろん、教師だけでなく学級崩壊の学級の子どもたちだって苦しんでいる。そのことは理解しつつも、仲間である教師を支えたいな、と強く思った。学級崩壊について考える貴重な一冊であることに間違いないだろう。2024/03/05
BECCHI
2
学級崩壊にフォーカスした本になっていて素晴らしく良い出来の雑誌だと思った。あらゆる人の考え方を掲載させることで、学級崩壊をあらゆる視点から捉えている。どれも体験者であったり、近くにいて見てきたりした方の執筆なので、説得力があり面白い。学級崩壊は、教師の力量と捉えている人もいれば、それだけではない環境によるものと捉えている人もいることがわかった。そして、何より困難校であれば、普通の学校と違ったアプローチが必要になってくることは、初めて知った。とても興味深い内容で、どんどん読み進められた。2021/11/10
U-Tchallenge
2
錚々たるメンバーが「学級崩壊」をテーマに論考を書き連ねている。これを見ただけでもお得な気分になる。「学級崩壊」という言葉は世間にも定着した言葉である。教育界だけに留まらない。だけど、「学級崩壊」について論じられることは減ってきている。なぜなら、ありきたりな話題になってしまったから。僕も似た経験があるし、見聞きしたこともある。だからこそ、現場の教員としては考えないといけないこと。子どもたちの育ちはもちろんだけど、同僚が苦しい思いをしてほしくない。苦しい思いをしている・していた教師は是非手に取ってみてほしい。2020/07/25
エース
1
学級崩壊はどこでも・誰にでも起こり得るという自覚があり、本書を手に取った。愛着障害が根底にある子供が増えてきた。発達障害を持つ子供が、愛着障害を引き起こした激しい感情の爆発が起こることもわかってきた。愛着障害という言葉は聞いたことはあるが、向き合い方が理解できていないので学びたい。本書で最も心に残ったのは、『数打ちゃ当たるの心持ちで、手を変え品を変え諦めずに対応していく。』である。これが正解という指導法はないが引き出しは多く持っていたい。改めてUDLについて理解を深めなければいけないと感じた。 2020/08/08