内容説明
著者らは、21世紀に入った直後の2001(平成13)年2月から、小さいながらも「中等教育改革研究会」を組織して、“中等教育改革なくしてこの国の未来なし”の信念のもとに、学者・研究者、学校の教員と経営者、元文部省職員等が集まって、月1回のペースで熱心に研究を重ねてきた。われわれの出した結論は、まず何よりも中等教育をめぐる教員と学校の主体性の回復であり、それを支えるための叡知を競い合う地方自治の推進である。前者に関連して、生徒の成長に責任を持つ教師集団へ生まれ変わる学校の知恵とわざについては本書の「第1部」に、そのような生き生きとした学校を支える条件を生み出すための、地方分権への切り替えの道筋については本書の「第2部」に示すことにした。
目次
序 われわれが考える中等教育のグランドデザイン―歴史的な回顧と国際比較の視点を交えて
第1部 学校を変える―摂陵改革の知恵とわざ(授業を変えることは、教師が変わり学校が変わること;生徒に何を保障するのか―目標の明確化のために;目標分析表をつくる;目標分析から授業を変える)
第2部 中等教育支援システムの問題点と課題解決への提言(領域別問題とその解決の方向;学校改革支援システムと私立学校の役割)
資料 中等教育改革研究会議事録抄
著者等紹介
中島章夫[ナカジマアキオ]
1936年生まれ。1960年、東京大学文学部卒業後、文部省入省。初等中等教育局小学校教育課長、同高等学校教育課長、大臣官房政策課長、大臣官房審議官などを経て退官。1993年に衆議院議員に当選。1996年には環境政務次官を務める。現在、(財)国際教育交流馬場財団理事長
浅田匡[アサダタダシ]
1958年兵庫県生まれ。大阪大学人間科学部卒業、同大学大学院人間科学研究科修了。同大学助手。国立教育研究所研究員を経て、神戸大学助教授。現在、早稲田大学人間科学部助教授。専門は教育工学教育心理学
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